
酸棗仁湯について詳しく知りたいあなた。
酸棗仁湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「金匱要略」に記載のある漢方薬です。
ツムラ酸棗仁湯エキス顆粒の添付文書には、心身がつかれ弱って眠れないという効能効果が記載されています。
漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。
それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
本記事では、酸棗仁湯がどのような漢方薬か知りたい方に向けて
・酸棗仁湯で改善できる東洋医学的な病態とは?
ついて紹介していきます。
自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。
ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。
自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。
1.酸棗仁湯で改善できる東洋医学的な病態について
1)酸棗仁湯について記載のある条文から
酸棗仁湯が東洋医学的にどのような働きをする漢方薬なのかを説明するために、酸棗仁湯について記載のある漢方の古典「金匱要略」血痺虚労編の条文を記載します。
なぜなら、漢方の古典には、「~のような時には、この漢方薬が効きます。」と記載されているからです。
「金匱要略」血痺虚労編17条
虚労煩眠るを得ざるは酸棗仁湯を主る
虚労(寝ても取れない疲れ)からきて痛いところがなく、何となく気が落ち着かなくて眠れないものは酸棗仁湯が主治します。
疲れが溜まっていて本来ならすぐに眠れそうなものの、何となく気分が落ち着かなくて眠れなかったり、何か気にかかって眠れなかったりするような時に酸棗仁湯が主治すると記載されています。
2)酸棗仁湯に配合されている生薬から
酸棗仁湯が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかを配合されている生薬から説明していきます。
酸棗仁湯
酸棗仁 (酸・平)10.0g
甘草 (甘・平) 1.0
知母 (苦・寒) 3.0
茯苓 (甘・平) 5.0
川芎 (辛・温) 3.0
酸棗仁は、酸っぱい生薬なので収斂の働きがあり、心の熱をとる働きがあります。知母は冷やす生薬で、内熱をとります。茯苓は、潤いをつけて、余分な水をおしっこで排泄させる働きがあります。川芎は、気の巡りをよくして、のぼせを下げて眠りやすくします。甘草は、緊張を緩める働きがあります。以上より、心熱をとって潤いをつけて、気を巡らせて気を下げることで、眠れるようになることが分かります。そして、心に熱が生まれてしまった原因は、疲れです。
まとめ
酸棗仁湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「金匱要略」に記載のある漢方薬です。
ツムラ酸棗仁湯エキス顆粒の添付文書には、心身がつかれ弱って眠れないという効能効果が記載されています。
疲れが溜まっていて本来ならすぐに眠れそうなものの、何となく気分が落ち着かなくて眠れなかったり、何か気にかかって眠れなかったりするような時に酸棗仁湯が主治すると記載されています。


