
当帰四逆加呉茱萸生姜湯について詳しく知りたいあなた。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」に記載のある非常に歴史ある漢方薬です。
ツムラ38当帰四逆加呉茱萸生姜湯の添付文書には、しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛の4つの効能効果が記載されています。
ただ、ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。
それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
本記事では、当帰四逆加呉茱萸生姜湯について詳しく知りたい方に向けて
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯の代表的な4つの効果について
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯は東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのか
ついて紹介していきます。
自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。
ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。
自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。
目次
1.当帰四逆加呉茱萸生姜湯の代表的な4つの効果について
ツムラ38当帰四逆加呉茱萸生姜湯の添付文書には以下のように記載されています。
手先の冷えを感じ、下肢が冷えると下肢又は下腹部が痛くなり易いものの次の諸症
しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛
ただ、漢方薬の効能効果の記載で注意しなければならない点があります。
それは、西洋医学の病名が当てはまる方に、すべて合うわけではないということです。
そこで、次に当帰四逆加呉茱萸生姜湯が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかについて説明させていただきます。
2.当帰四逆加呉茱萸生姜湯は東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのか
当帰四逆加呉茱萸生姜湯が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかを知るために、傷寒論に記載のあるの条文をご紹介させていただきます。
なぜ傷寒論の条文をご紹介するかというと、漢方の古典には、「~のような時には、この漢方薬が効きます。」と記載されているからです。
1)傷寒論にある記載にある当帰四逆湯と当帰四逆加呉茱萸生姜湯の条文
傷寒論厥陰病編 26条
手足厥寒、脈細にして絶せんと欲する者、当帰四逆湯之を主る。
手足冷えて、脈が細で触れにくい者は、当帰四逆湯の主治である。
手足の冷えが激しい状態の人に合うことが分かります。
傷寒論厥陰病編 27条
もしその人内に久寒ある者は当帰四逆加呉茱萸生姜湯これを主る。
もしその人の体内に長期間にわたる冷えがある者は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯で治療するのがよい。
手足の冷えが冷えひどく、さらに、体内に長期間にわたり冷えがある場合は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が良いことが分かります。
2)当帰四逆加呉茱萸生姜湯を構成する生薬
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
当帰 (甘・温)1.8
芍薬 (苦・平)3.0
甘草 (甘・平)1.2
通草 (辛・平)1.2
桂枝 (辛・温)1.8
細辛 (辛・温)1.8
生姜 (辛・温)4.8
呉茱萸(辛・温)6.0
大棗 (甘・平)4.8
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、温める(温)生薬が5つ、温めも冷やしもしない生薬(平)が4つで構成されています。
このことから当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、温める働きが強いことが分かります。
桂枝は皮膚表面の陽気を補う働きがあります。細辛は、肺を温めます。肺は、外界からの冷えを受ける場所なので、外界から受けた冷えを改善する働きがあります。通草は辛みの生薬で、肌肉の気の痞えを改善し、皮膚の表面に陽気を運んで、気血を巡らせる働きがあります。生姜は、胃を温めて生まれた陽気を皮膚から外に発散できるようにします。呉茱萸も胃を温めます。当帰と大棗と血を作ります。芍薬は凝りを除き腹痛を治し、血流をよくします。甘草は、陽気を補います。
以上より、血が不足してさらに皮膚表面を温める陽気も不足していて、さらに、胃も冷えている状態を改善する漢方薬であることが分かります。
自覚症状としては、手先足先の冷えが慢性的にあり、頭痛、頭重、鼻水がでやすい、肩こりなどがある方にピッタリです。
まとめ
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」に記載のある非常に歴史ある漢方薬です。
しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛の効能があります。
血を増やし、血流をよくするとともに、陽気を補い、全身に巡らす働きがあります。手足の冷えが冷えひどい方にピッタリです。


