半夏厚朴湯

ツムラ16|半夏厚朴湯の代表的な7つの効果

半夏厚朴湯について詳しく知りたいあなた。

半夏厚朴湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「金匱要略」に記載のある非常に歴史ある漢方薬です。ツムラ半夏厚朴湯の添付文書には、気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸証:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症の7つの効能効果が記載されています。

ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。

本記事では、半夏厚朴湯について詳しく知りたい方に向けて

  • 半夏厚朴湯の代表的な7つの効果について
  • 半夏厚朴湯は東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのか

について紹介していきます。

自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。

半夏厚朴湯の代表的な7つの効果について

ツムラ16 半夏厚朴湯(医療用)の添付文書には以下のように記載されています。

気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸証:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症

ただ、漢方薬の効能効果の記載で注意しなければならない点があります。それは、西洋医学の病名が当てはまる方に、すべて合うわけではないということです。

そこで、次に半夏厚朴湯が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかについて説明させていただきます。

半夏厚朴湯は東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのか

半夏厚朴湯が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかを知るために、金匱要略に記載のある半夏厚朴湯の条文をご紹介させていただきます。

漢方の古典には、「~のような時には、この漢方薬が効きます。」と記載されているからです。

金匱要略にある記載にある半夏厚朴湯の条文

金匱要略 婦人雑病編 5条

女人の咽の奥の方かあるいは食道の上の方にあぶった小さな肉切れがくっついている様な気のする者は半夏厚朴湯がこれを主るということ。

咽の奥の方かあるいは食道の上の方にあぶった小さな肉切れがくっついているような気がするのがポイントです。

添付文書の気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感がありという部分は、まさしく、この咽の奥の方かあるいは食道の上の方にあぶった小さな肉切れがくっついているを表現しています。

半夏厚朴湯を構成する生薬から考えると

半夏厚朴湯

  • 半夏 (辛・平)6.0
  • 厚朴 (苦・温)3.0
  • 茯苓 (甘・平)5.0
  • 蘇葉 (辛・温)2.0
  • 生姜 (辛・温)1.0

半夏厚朴湯は、温める(温)生薬が3つ、温めも冷やしもしない生薬(平)が2つで構成されています。このことから、半夏厚朴湯は、温める働きが強いことが分かります。

半夏は、体内の気を補って水をさばく働きがあり、水の停滞によっておこる嘔吐、お腹のゴロゴロ、咳や咽痛を治します。茯苓も水をさばきます。厚朴は、皮膚、特に胸から腹にかけて温めて期の通りをよくして蘇葉生姜によって胃腸を温めて気の発散をよくします。特に気と水のつまりがのどの付近を中心としてあるものを改善する働きがあります。

まとめ

半夏厚朴湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「金匱要略」に記載のある非常に歴史ある漢方薬です。不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症は半夏厚朴湯の代表的な効能効果です。

ただし、それらの症状があるすべての方に合うわけではありません。咽の奥の方かあるいは食道の上の方にあぶった小さな肉切れがくっついているような気がする症状がある場合は、合う可能性が高いです。

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