
桂枝茯苓丸加薏苡仁の副作用について知りたいあなた。
実は、漢方医学では、副作用という概念がありません。代わりに「誤治」という概念があります。
漢方医学では、証を見立てて、それに合わせた漢方薬を選択します。
漢方薬を服用して、症状が悪化したり、副作用的な症状が現れたりしたら、証の見立て違いの可能性が高いです。
この証の見立て違いが誤治です。
体に合った漢方薬を選ぶことは、経験や知識がないととても難しく、誤治することはあります。
その場合は、その漢方薬の服用を中止し、漢方薬を選んでもらった医師や薬剤師にそのことを伝えて、別の漢方薬を選んでもらうのが正しい対処法となります。
ツムラ125桂枝茯苓丸加薏苡仁エキス顆粒の添付文書には、過敏症(発疹、蕁麻疹等)と消化器(胃部不快感、下痢等)があげられています。
今回、添付文書に記載のある副作用を中心に桂枝茯苓丸加薏苡仁を服用した際に起こるかもしれない症状とその時の対処法についてまとめました。
1.桂枝茯苓丸加薏苡仁の副作用
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、以下の生薬で構成されています。
薏苡仁 (甘・微寒)10.0g
桂枝 (辛・温) 4.0
芍薬 (苦・平) 4.0
桃仁 (苦・平) 4.0
茯苓 (甘・平) 4.0
牡丹皮 (辛・寒) 4.0
牡丹皮の働きで血の熱をとり、桃仁により熱で燥いた血に潤いを与えて滞りを取り除き、茯苓で血液の水分バランスを整えて血を正常な状態に戻し、芍薬で筋肉のたるみをひきしめて血流を改善し、桂枝で陽気を補い、血液の流れに勢いをつけてさらに血流を改善するように働きかけます。
血液は、栄養や酸素だけでなく熱も全身に運んでいます。
東洋医学では、血流が悪い場所ができるとそこに熱がこもり、熱のこもりが血を濃くしてさらに血流を悪化させると考えます。
さらにひどくなるとそこの部分にコブができることもあります。
子宮にできれば、子宮筋腫ですし、皮膚にできればニキビ、眼にできればものもらいです。
こぶができてしまうと上の5つの生薬で血流を改善するだけでは取り除くのが困難になってしまうこともあります。
その時に、薏苡仁(甘・微寒)を追加します。
甘味の生薬は緩める働きがありますので、コブを柔らかくして微寒でこぶの原因の血の熱をとる働きが追加されます。
それによりコブを改善する働きが強化されます。桂枝茯苓丸加薏苡仁の病態にあった時に服用すると効果を発揮しますが、別の場合に服用すると、効果が出なかったり、誤治により思わぬ副作用的な症状が現れたりすることがあります。副作用として次の2つが報告されています。
(1) 過敏症(発疹、発赤、そう痒等)
過敏症なので、漢方薬の成分の中で、体に合わない者があり、過敏症状が出る場合に、発疹、や発赤やそう痒等の症状がでることがあります。この場合は、服用を中止してください。
まれにすぐに病院を受診しないといけないような症状を引き起こすこともありますので、注意が必要です。
(2) 消化器(胃部不快感、下痢等)
胃の不快感や下痢が起こることがあります。ただ、日常生活の要因でも起こることがありますので、お薬の影響だと考えられるとき、また、消化器の症状が続くようなら、服用を中止してください。服用を中止すると、ほとんどの場合、治まっていきます。
まとめ
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、牡丹皮の働きで血の熱をとり、桃仁により熱で燥いた血に潤いを与えて滞りを取り除き、茯苓で血液の水分バランスを整えて血を正常な状態に戻し、芍薬で筋肉のたるみをひきしめて血流を改善し、桂枝で陽気を補い、血液の流れに勢いをつけてさらに血流を改善するように働きかけます。
それに、薏苡仁が加わることで、血流の悪い部分を改善する働きが強化されます。
この桂枝茯苓丸加薏苡仁の病態にあった時に服用すると効果を発揮しますが、別の場合に服用すると、効果が出なかったり、誤治により思わぬ副作用的な症状が現れたりすることがあります。
その場合は、過敏症(発疹、発赤、そう痒等)や 消化器(胃部不快感、下痢等)が起こる可能性があります。


