
呉茱萸湯でのダイエット効果について興味を持たれているあなた。
結論から言うと、その効果を実感できる人は、とても限られると思われます。なぜかというと、呉茱萸湯は、食欲のあるタイプにはあまり用いられないからです。
本記事では、呉茱萸湯がどのようなタイプの方に合うかについて説明させていただきます。
呉茱萸湯が合うタイプ
呉茱萸湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」「金匱要略」に記載のある非常に歴史のある漢方薬です。呉茱萸湯は、呉茱萸湯があうタイプに合うかを「傷寒論」と「金匱要略」に記載のある呉茱萸湯の条文と配合されている生薬から説明していきます。
傷寒論にある記載にある呉茱萸湯の条文
穀を食し、嘔せんと欲するものは、陽明に属するなり。呉茱萸湯これを主る。湯を得て反って劇しき者は上焦に属するなり。
(傷寒論:陽明病編)
食べ物を食べて、吐き気がするような人に呉茱萸湯があいます。
少陰病、吐痢、手足厥冷し、煩躁して死せんと欲する者は呉茱萸湯を主る
(傷寒論:少陰病編)
少陰病で吐いたり、下したりして手足の先のほうから冷えて、胸が張ってひどく苦しがって死ぬように苦しがっている者は、呉茱萸湯が治します。
乾嘔、吐涎沫、頭痛の者は呉茱萸湯を主る。
(傷寒論:厥陰病編)
からえずきをして、唾液や薄い痰をはいて、頭痛をする人は呉茱萸湯が治ります。
嘔して胸満者、呉茱萸湯これを主る
(金匱要略:嘔吐噦下痢病編)
嘔して胸が張ってくる人は、呉茱萸湯が治ります。
以上の条文より、手足が冷えて、吐き気が頭痛する人に呉茱萸湯が合うことが分かります。
呉茱萸湯を構成する生薬
呉茱萸湯
呉茱萸 (辛・温) 5.0 | 呉茱萸の実で、胃を温めて、胃の働きをよくする。 |
| 人参 (甘・微寒) 3.0 | オタネニンジンの根で、胃腸の働きを活発にして気血津液の生成を活発にする。 |
| 生姜 (辛・温) 6.0 | 胃の温め、胃の陽気を盛んにして、発散させる。 |
| 大棗 (甘・平) 4.0 | 脾を補い、津液を多くして緊張を緩める。津液を多くすることによって血を多くする。 |
呉茱萸湯は4つの生薬を配合して作られています。
呉茱萸は、辛く温める生薬なので、胃を温めて、胃の陽気を盛んにさせます。生姜も同じ辛く温める生薬で、胃を温めて、陽気を発散させる働きがあります。人参は、気血津液の生成を活発にさせて、大棗は、血を多くする働きがあり、血が多くなると、からだも温まります。
以上より、呉茱萸と生姜の胃の温める働きがベースとなっていることが分かります。よって、冷飲食などで特に胃を冷やしてしまって、吐き気や頭痛が起きている場合に呉茱萸湯があることが分かります。
まとめ
呉茱萸湯の服用で痩せる方は、とても限られると考えられます。呉茱萸湯は、傷寒論の条文にあるように食べ物を食べて、吐き気がするような人にあうからです。
配合されている生薬から冷飲食などで特に胃を冷やしてしまって、吐き気や頭痛が起きている場合に効果があります。そのようなタイプの方は、体調が改善しますので、呉茱萸湯の服用をおすすめします。体調がよくなった結果として、体重が減ることが起こるかもしれません。


