呉茱萸湯

呉茱萸湯で改善が期待できる代表的な更年期症状5つ

呉茱萸湯が更年期に良いと聞いたあなた。

確かに、呉茱萸湯は、更年期障害に用いられる漢方薬です。

ただ、呉茱萸湯は、更年期障害に万能ではありません。

漢方薬の効果にはある特徴があります。

それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。 

 

今回、更年期障害に呉茱萸湯を飲んでみたいという方に向けて

 

・呉茱萸湯の合うタイプとは?

・呉茱萸湯で改善が期待できる代表的な更年期症状5つ

 

についてご紹介させていただきます。

 

1 呉茱萸湯の合うタイプとは?

 呉茱萸湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」「金匱要略」に記載のある非常に歴史のある漢方薬です。呉茱萸湯は、呉茱萸湯があうタイプに合うかを「傷寒論」と「金匱要略」に記載のある呉茱萸湯の条文と配合されている生薬から説明していきます。

 

1)傷寒論にある記載にある呉茱萸湯の条文

穀を食し、嘔せんと欲するものは、陽明に属するなり。呉茱萸湯これを主る。湯を得て反って劇しき者は上焦に属するなり。(傷寒論:陽明病編)

食べ物を食べて、吐き気がするような人に呉茱萸湯があいます。

 少陰病、吐痢、手足厥冷し、煩躁して死せんと欲する者は呉茱萸湯を主る(傷寒論:少陰病編)

少陰病で吐いたり、下したりして手足の先のほうから冷えて、胸が張ってひどく苦しがって死ぬように苦しがっている者は、呉茱萸湯が治します。

 乾嘔、吐涎沫、頭痛の者は呉茱萸湯を主る。(傷寒論:厥陰病編)

からえずきをして、唾液や薄い痰をはいて、頭痛をする人は呉茱萸湯が治します。

 嘔して胸満者、呉茱萸湯これを主る(金匱要略:嘔吐噦下痢病編)

嘔して胸が張ってくる人は、呉茱萸湯が治します。

 

以上の条文より、手足が冷えて、吐き気が頭痛する人に呉茱萸湯が合うことが分かります。

 

2)呉茱萸湯を構成する生薬

 呉茱萸湯

 

呉茱萸 (辛・温) 5.0

呉茱萸の実で、胃を温めて、胃の働きをよくする。

人参  (甘・微寒)3.0

オタネニンジンの根で、胃腸の働きを活発にして気血津液の生成を活発にする。

生姜  (辛・温) 6.0

胃の温め、胃の陽気を盛んにして、発散させる。

大棗  (甘・平) 4.0

脾を補い、津液を多くして緊張を緩める。津液を多くすることによって血を多くする。

 

呉茱萸湯は4つの生薬を配合して作られています。

 

呉茱萸は、辛く温める生薬なので、胃を温めて、胃の陽気を盛んにさせます。生姜も同じ辛く温める生薬で、胃を温めて、陽気を発散させる働きがあります。人参は、気血津液の生成を活発にさせて、大棗は、血を多くする働きがあり、血が多くなると、からだも温まります。

以上より、呉茱萸と生姜の胃の温める働きがベースとなっていることが分かります。よって、胃が冷えていて、吐き気や頭痛が起きている場合に呉茱萸湯があうことが分かります。

 

2.呉茱萸湯で改善が期待できる代表的な更年期症状5つ

 呉茱萸湯は、

1)食欲がない

2)気分が落ち着かない

3)頭痛

4)のぼせ

5)肩こり

という5つの更年期症状にあてはまる方に服用をおすすめします。

 

この5つは、呉茱萸湯の合うタイプのお持ちの方の代表的な自覚症状です。

 

まとめ

 呉茱萸湯は、更年期障害に用いられる漢方薬です。

ただ、呉茱萸湯は、更年期障害に万能ではありません。


呉茱萸湯は、1)食欲がない2)気分が落ち着かない3)頭痛4)のぼせ5)肩こりという5つの更年期症状のうち4つ以上当てはまる方に服用をおすすめします。

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