当帰芍薬散

不妊症で当帰芍薬散を服用したらチェックしたい5つの効果

当帰芍薬散が、妊活に効果的な漢方薬であることは間違いありません。ただ、効果を実感していない漢方薬を続けることは、あなたの妊活にとって必ずしも良い選択とは言えません。

不妊症で病院や漢方薬局で当帰芍薬散を処方されて頑張って服用しているあなた。あるいは当帰芍薬散の効能効果を見て、自分に合っていそうだと思い、服用しているあなた。当帰芍薬散の効果を実感されていますか?

薬局で不妊症の漢方相談をしておりますが、必ず初回相談時に「現在服用いているお薬」を伺います。その際、一番多い漢方薬が当帰芍薬散です。「服用して体調どうですか?」と伺うのですが、実は、当帰芍薬散の効果を実感されている方は、あまり多くありません。


当帰芍薬散が、妊活に効果的な漢方薬であることは間違いありません。
ただ、効果を実感していない漢方薬を続けることは、あなたの妊活にとって必ずしも良い選択とは言えません。

本記事では、現在、当帰芍薬散を服用している方、服用を開始する方、あるいは、服用を考えている方に向けて、

  • 服用したらチェックしたい5つの効果
  • 効果を実感できない時にとるべき行動について

についてご紹介していきます。

「漢方薬は、効き目が穏やかだから、効果が分かりにくい。」「漢方薬は、長く飲まないとね。」ということをおっしゃられる方も多いですが、漢方薬を服用して妊娠された方のほとんどは、その効果を実感して気になる症状が改善したり、基礎体温表が整ったりして、その後に妊娠されています。

この記事が、あなたにとって少しでも効果的で効率的な妊活になるために役立つことを心より願っております。

当帰芍薬散の効能効果を確認

当帰芍薬散を服用したら、どのようなことをチェックしたら良いかを把握するために、当帰芍薬散の効能効果を確認してみます。なぜ効能効果を確認するかと言いますと、効能効果は、服用することで感じることのできるか効果と考えることができるからです。

当帰芍薬散の説明文書には

体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症

月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴りと記載されています。

となっております。

「当帰芍薬散には、こんなにたくさんの効能効果があるの!」と驚かれた方も多いと思います。西洋薬で一つの薬剤でこのように多くの効果を発揮するお薬は、まずありません。

ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、症状は改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。

血液検査があるわけではないので、病態を読み取るのはとても難しく、漢方薬を選ぶには、豊富な知識と経験が必要となってきます。

当帰芍薬散は、冷えと過剰な水分で血行障害が起きている病態を改善する漢方薬

当帰芍薬散が合う病態は、「金匱要略」という当帰芍薬散の記載のある漢方書と当帰芍薬散に配合されている生薬から判断できます。

金匱要略には、

婦人腹中諸の疾痛は、当帰芍薬散之を主る

とあります。この条文から当帰芍薬散は、腹痛を治すことが分かります。

次に、腹痛が起こる病態を探るために、配合されている生薬を確認していきます。当帰芍薬散は、当帰(とうき)・芍薬(しやくやく)・川芎(せんきゅう)/茯苓(ぶくりょう)・沢瀉(たくしゃ)・白朮(びゃくじゅつ)の6つの生薬で構成されています。

当帰は、お腹を温め外の寒をのぞき血行を良くするものであり、芍薬は筋肉の緊張を弛め血行を良くして、川芎は気の巡りを良くして血行を良くします。つまり、3つの生薬でお腹を温め血行をよくして腹痛を治してくれます。

茯苓・沢瀉・白朮は、体内の水を取り除いてくれます。

トータルで考えると、冷えがあって、余分な水分が滞り、それが原因で血行障害を起こしている病態であることが分かります。そして、血行障害は、特にお腹に起きやすいことが分かります。

 

服用したらチェックしたい5つの効果

当帰芍薬散が合う病態の方であれば、15日から1ヶ月ほど服用することで効果を実感できる方もみえますので、服用後は、すぐに以下の5つの症状をチェックをするようにしてください。

(1) 腹痛の他に頭痛、冷えや立ちくらみの自覚症状があればその改善効果

当帰芍薬散を服用すると、過剰な水分で薄まっていた血液が正常に戻っていき、血行が改善されます。そうすると、腹痛や生理痛、頭痛、冷えの自覚症状がとれていきます。これらの自覚症状のある方は、服用後にこれらの症状が改善してきているかを確認することで、当帰芍薬散が効いているか分かります。

(2) 生理(経血)の量の増加

生理の量は、子宮内膜の厚さと関係があります。

子宮内膜は、受精卵が着床するベットみたいなものです。血液を豊富に含んで分厚くなるほど着床しやすくなります。

当帰芍薬散を服用して、水の滞りが改善され、薄まっていた血が改善され、当帰・芍薬・川芎で血行がよくなると、子宮内膜が厚くなり、生理の量が増えていきます。それによって当帰芍薬散の効果を確認できます。

もともと生理の量が少ない方は、特に生理の量をチェックして下さい。

(3) めまい、むくみ、排尿回数

めまい、動悸やむくみは、茯苓・沢瀉・白朮の働きで、過剰な水の滞りがしっかりおしっこで排出されるようになると、改善されてくる症状です。また、冷えておしっこの回数が多いけど量が少なかった方は、回数が減り、尿量が増えるようになります。

これらの症状が改善してきていれば、当帰芍薬散が効いていると考えてください。

 

(4) 基礎体温の状態

基礎体温も必ずチェックをするようにしてください。全体的に基礎体温が低い方なら、その体温が上がったり、ギザギザしていた基礎体温がなめらかになったりしていきます。

(5) 体調

冷えが取れて、過剰な水の滞りが改善して、血行が良くなってくると、体調が良くなってきます。心身一如という言葉があるように、体の状態がよくなってくると、心の状態も良くなってきます。体調が良くなってきている実感できることは、当帰芍薬散が効いていると証になります。

 

効果を実感できない時にとるべき行動について

残念ながら、当帰芍薬散を3ヶ月しっかり服用しても上の(1)~(5)の効果を実感できなかった場合は、次の行動をとるようにしてください。

(1) 偏った食事や生活リズムが不規則で、ストレスなども抱えている場合

漢方薬が合っていても偏った食事や生活リズムが不規則だと、改善しにくいです。こちらの見直しにチャレンジしてください。

 

(2) 自分の体の状態と合っていると思うのに、効果を実感できない場合

服用されている当帰芍薬散が当帰芍薬散料か当帰芍薬散かを確認してください。

本来の当帰芍薬散は、それぞれの生薬を粉上に粉砕して、それを配合して作るのですが、当帰芍薬散料は、生薬を粉砕せず、生薬を配合した後に煮出して、その煮汁を粉にしているので、効き目が変わってきてしまいます。

市販されているもの、病院で処方されるもののほとんどは、当帰芍薬散料なので、漢方薬局などに問い合わせると、購入することができます。

(3) 医師や薬剤師に処方してもらって服用している場合

正直に服用しても効果を実感できていないことを伝えることが大切です。医師や薬剤師もしっかり考えた上で、あなたに合うと考え、当帰芍薬散を選んでいます。

もし、続けることになっても、納得のいく説明を受けた上で、服用することが大切です。

(4) 自分で良いと思い、当帰芍薬散を服用している場合

他の漢方薬を選択したほうが良いかもしれませんので、一度医師や薬剤師に相談されることをおすすめします。

 

まとめ

当帰芍薬散は、冷えを取り、体の水の滞りを改善し、血行をよくする漢方薬です。過剰な水が取り除かれ、血がしっかりすることで、冷え、貧血、動悸や浮腫み、生理痛など様々な症状が改善されます。

これらの症状が改善されると、妊娠しやすい体に大きく近づきます。とても素晴らしい漢方薬です。ただ、このような病態を持っている方でないと、上のような症状は改善されません。

服用後は、腹痛や生理痛、頭痛、浮腫み、めまい、基礎体温や体調を確認していくことがとても大切です。この情報が、あなたの妊活にお役立ていただければ幸いです。

 

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