
桂枝茯苓丸加薏苡仁(ツムラ125)が肌荒れに効果があると聞いたあなた。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「金匱要略」に記載のある桂枝茯苓丸に後世、日本で経験的に薏苡仁を加えて使用されたことが伝わり、今も使用されている漢方薬です。ツムラ桂枝茯苓丸加薏苡仁の添付文書には、血の道症の効果が記載されています。
ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。
それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
本記事では、桂枝茯苓丸加薏苡仁がどのような漢方薬か知りたい方に向けて
- 桂枝茯苓丸加薏苡仁は、本当に更年期に効果があるのか?
- 桂枝茯苓丸加薏苡仁はどのような漢方薬なのか?
- 桂枝茯苓丸加薏苡仁の効くタイプが感じている5つの自覚症状とは?
について紹介していきます。
自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、本当に更年期に効果があるのか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁の効能効果を確認するために添付文書の効能効果を記載します。
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、血の道症(月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状)、にきび、しみ、手足のあれ
効能効果に血の道症(月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状)の記載のあることから、更年期障害に効果があることが分かります。
ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
桂枝茯苓丸加薏苡仁はどのような漢方薬なのか?
桂枝茯苓丸加薏苡仁が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかを配合されている生薬から説明していきます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁
- 薏苡仁 (甘・微寒)10.0g
- 桂枝 (辛・温) 4.0
- 芍薬 (苦・平) 4.0
- 桃仁 (苦・平) 4.0
- 茯苓 (甘・平) 4.0
- 牡丹皮 (辛・寒) 4.0
牡丹皮の働きで血の熱をとり、桃仁により熱で燥いた血に潤いを与えて滞りを取り除き、茯苓で血液の水分バランスを整えて血を正常な状態に戻し、芍薬で筋肉のたるみをひきしめて血流を改善し、桂枝で陽気を補い、血液の流れに勢いをつけてさらに血流を改善するように働きかけます。
血液は、栄養や酸素だけでなく熱も全身に運んでいます。東洋医学では、血流が悪い場所ができるとそこに熱がこもり、熱のこもりが血を濃くしてさらに血流を悪化させると考えます。熱のこもりを取りやすくするために薏苡仁(甘・微寒)を追加します。甘味の生薬は緩める働きがありますので、熱のこもりを薏苡仁の微寒でとる働きが追加されます。
このように桂枝茯苓丸加薏苡仁には、血流の悪化によるうっ滞を取り除く効果があります。血流のうっ滞があると、全体的に熱は上の方に行き、冷たいものは下に行きます。冷えのぼせの症状がでやすくなり、更年期の代表的な症状であるホットフラッシュの症状も起きやすくなります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁の効くタイプが感じている5つの自覚症状とは?
- 精神不安やいらだちがある
- 打ち身の跡がとれにくい
- のぼせるけど足は冷える傾向がある
- 頭痛がおきやすい
- 食欲の減退はなく、便は固い傾向がある。
1.~4.は、効能効果に記載のある症状です。5.は経験的にそのような傾向があります。
まとめ
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、更年期に効果のある漢方薬です。ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、
- 生理痛がある
- 打ち身の跡がとれにくい
- のぼせるけど足は冷える傾向がある
- 頭痛がおきやすい
- 食欲の減退はなく、便は固い傾向がある
の5つの自覚症状のある更年期の方に効果的です。


