芍薬甘草湯

漢方の古典「傷寒論」から読み取る芍薬甘草湯の飲むタイミング

芍薬甘草湯の飲むタイミングについて知りたいあなた。芍薬甘草湯は、他の一般的な漢方薬と同じ、13回食前または食間に服用することとなっております。

今回、芍薬甘草湯の飲むタイミングについて知りたいあなたに向けて芍薬甘草湯の原典「傷寒論」に記載のある芍薬甘草湯の条文から読み取れる芍薬甘草湯の飲むタイミングについて説明いたします。

芍薬甘草湯の原典「傷寒論」に記載のある芍薬甘草湯の条文

傷寒論は、3世紀ごろに中国で書かれた漢方治療の書物です。傷寒論には、現代でも使われている非常に多くの漢方薬が記載されています。傷寒論には、主に傷寒という寒さが原因で起きた病気の治療法について記載されていますが、この書物の素晴らしい所は、間違えた治療(誤治)をしてしまった時の対処法も細かく記載されていることです。

芍薬甘草湯は、この「誤治」をしてしまった時に、その状態を回復させるときに使用されます。 

太陽病上編 30条

この条文はとても長いので、後ろの一部は省略します。

傷寒で脈が浮き自然と汗が出て、小便の回数が多く、胸苦しく少し悪寒がして、脚がつっぱって、痙攣しているような場合に、反って桂枝湯を与えて発汗させるのは治療の誤りです。

桂枝湯を服用すると手足が冷たくなり、咽が乾いて苦しくなり、吐きもどす人には、甘草乾姜湯を作って服用させて、陽気のめぐりをよくしてやりなさい。もし甘草乾姜湯を服用して、手足の冷えが癒えて足が温かくなった者で、脚の攣急の治らない者には、芍薬甘草湯を作って服用させなさい。そうすれば脚の攣急が治って伸びるようになります。

(略) 

芍薬甘草湯 芍薬(苦・平) 甘草(甘・平) 

2つの生薬を水3升で煮て1升半にして滓を去って2回に分けて温服する。

傷寒論には、治療を失敗して状態が悪くなった時に回復させる時にしか芍薬甘草湯の記載がありません。ここから、芍薬甘草湯は、他の漢方薬と違い、病気を改善されるというよりは、緊急事態の時に筋肉の引き攣りを治すことに特化した漢方薬であると解釈できます。そして、服用のタイミングは、筋肉の引き攣りが出た時に服用し、症状が落ち着くまでということになります。

 芍薬甘草湯は、筋肉のこわばりひきつれを治す漢方薬で、足のつりの他にも色々な用途がありますが、飲むタイミングは同じで、症状が出た時に症状が治まるまでとなります。

まとめ

芍薬甘草湯は、他の一般的な漢方薬と同じ、13回食前または食間に服用することとなっております。ただ、芍薬甘草湯の原典「傷寒論」には、芍薬甘草湯は、漢方治療を誤った時に元の状態に戻す過程で、足の痙攣がある時に12回服用すると記載されています。

よって、原典から読み取れる芍薬甘草湯の飲むタイミングは、筋肉の引き攣りが起きた時に元の状態に戻るまでとなります。

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