
桂枝茯苓丸加薏苡仁について詳しく知りたいあなた。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「金匱要略」に記載のある桂枝茯苓丸に後世、日本で経験的に薏苡仁を加えて使用されたことが伝わり、今も使用されている漢方薬です。
ツムラ桂枝茯苓丸加薏苡仁の添付文書には、5つの効能効果が記載されています。
5つもとと驚かれたかもしれません。
ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。
それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
本記事では、桂枝茯苓丸加薏苡仁がどのような漢方薬か知りたい方に向けて
・桂枝茯苓丸加薏苡仁の5の効能効果
・桂枝茯苓丸加薏苡仁で改善できる東洋医学的な病態とは?
ついて紹介していきます。
自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。
ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。
自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。
1.桂枝茯苓丸加薏苡仁の5の効能効果
ツムラ125桂枝茯苓丸加薏苡仁(医療用)の添付文書によると、
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、血の道症(月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状)、にきび、しみ、手足のあれ
薏苡仁(ヨクイニン)の入っていないツムラ25桂枝茯苓丸(医療用)の添付文書には、
体格はしっかりしていて赤ら顔が多く、腹部は大体充実、下腹部に抵抗のあるものの次の諸症:子宮並びにその付属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり等)、冷え症、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎
となっております。薏苡仁(ヨクイニン)が配合されることにより、皮膚の方への働きが強化されることが分かります。
2.桂枝茯苓丸加薏苡仁で改善できる東洋医学的な病態について
桂枝茯苓丸加薏苡仁が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかを配合されている生薬から説明していきます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁
薏苡仁 (甘・微寒)10.0g
桂枝 (辛・温) 4.0
芍薬 (苦・平) 4.0
桃仁 (苦・平) 4.0
茯苓 (甘・平) 4.0
牡丹皮 (辛・寒) 4.0
牡丹皮の働きで血の熱をとり、桃仁により熱で燥いた血に潤いを与えて滞りを取り除き、茯苓で血液の水分バランスを整えて血を正常な状態に戻し、芍薬で筋肉のたるみをひきしめて血流を改善し、桂枝で陽気を補い、血液の流れに勢いをつけてさらに血流を改善するように働きかけます。
血液は、栄養や酸素だけでなく熱も全身に運んでいます。
東洋医学では、血流が悪い場所ができるとそこに熱がこもり、熱のこもりが血を濃くしてさらに血流を悪化させると考えます。
さらにひどくなるとそこの部分にコブができることもあります。
子宮にできれば、子宮筋腫ですし、皮膚にできればニキビ、眼にできればものもらいです。
こぶができてしまうと上の5つの生薬で血流を改善するだけでは取り除くのが困難になってしまうこともあります。
その時に、薏苡仁(甘・微寒)を追加します。
甘味の生薬は緩める働きがありますので、コブを柔らかくして微寒でこぶの原因の血の熱をとる働きが追加されます。
それによりコブを改善する働きが強化されます。
このように桂枝茯苓丸加薏苡仁には、血流の悪化によるうっ滞で起きてしまったコブを取り除くに効果があります。
ニキビや肌荒れはその代表的な症状です。
運動不足が多い現代人は、血流の悪い人が多いので、多くの人に当てはまる漢方薬だと思います。
まとめ
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれに効果のある漢方薬です。
薏苡仁(ヨクイニン)が配合されることにより、皮膚の方への働きが強化されることが分かります。
桂枝茯苓丸は、血流を改善される働きがあり、ヨクイニンは、血流の悪化によってできたコブを柔らかくして、こぶの原因の血の熱を取り、コブを取り除いてくれる働きがあります。運動不足が多い現代人は、血流の悪い人が多いので、多くの人に当てはまる漢方薬だと思います。


