
桔梗湯について詳しく知りたいあなた。
桔梗湯は、漢方の古典「傷寒論」「金匱要略」に記載のある非常に歴史のある漢方処方です。ツムラ桔梗湯の添付文書には、咽頭がはれて痛む時の扁桃炎・扁桃周囲炎の2つの効能効果が記載されています。
ただ、ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。
それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
本記事では、桔梗湯がどのような漢方薬か知りたい方に向けて
- ツムラ138桔梗湯の2つの効果
- 桔梗湯が改善できる東洋医学的な病態
について紹介していきます。
1.桔梗湯の2つの効果について
添付文書に記載のあるツムラ138桔梗湯の効能・効果
ツムラ138桔梗湯の添付文書には、以下のように記載されています。
咽頭がはれて痛む次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎
次に桔梗湯が改善できる東洋医学的な病態について説明していきます。
2.桔梗湯が改善できる東洋医学的な病態
漢方の古典「傷寒論:少陰病編」の桔梗湯について記載のある条文、桔梗湯を構成する生薬から桔梗湯が改善できる病態を説明していきます。
1)傷寒論に記載のある桔梗湯の条文
少陰病、二三日、咽痛の者、甘草湯を与うべし、差えざれば、桔梗湯と与う。
少陰病になって、2~3日経って、咽が痛い者、甘草湯で治療するのが良い。甘草湯で治らなければ、桔梗湯で治療する。
少陰病は、陰病に属して、陽気が不足している状態の人です。
陽気が不足して咽痛の者の人は、甘草湯を飲みなさい。
それでも治らなければ、桔梗湯を飲みなさい。ということが書かれています。
咽は表裏の分かれ目で、口から咽までは外界と接する表で、咽から奥からは裏と考えます。口から咽までの表の部分は、外界と接するので冷えが入ってきます。本来は、陽気でバリアしているのですが、陽気が少ないので、カバーできず冷えが侵入してきて、咽の辺りでとどまり、陽気と冷えが争います。すると陽気が滞り熱が生まれ、炎症が起きて咽が痛くなります。そのような咽の痛みに桔梗湯は使われます。
さらに桔梗湯の病態を探るために、配合されている生薬を確認していきます。
2)桔梗湯を構成する生薬
桔梗湯は、
桔梗「ききょう(辛・微温)」1.0
甘草「かんぞう(甘・平)」2.0
2個の生薬で構成されています。
桔梗は、辛い生薬で、辛みは、発散の働きがあります。そして、微温なので、少し温めます。よって、桔梗は、冷えと戦っている部分を温め、さらに陽気を補って熱を発散させることにより、冷えを取り除き、咽の炎症を抑えます。
甘草は、甘い生薬で緩和の働きがあり、炎症を鎮めます。
まとめ
桔梗湯は、漢方の古典「傷寒論」「金匱要略」に記載のある非常に歴史のある漢方処方です。ツムラ桔梗湯の添付文書には、咽頭がはれて痛む時の扁桃炎・扁桃周囲炎の2つの効能効果が記載されています。桔梗湯は、体の陽気が不足している状態で、冷えがのどに入って咽が炎症を起こした時に用いる漢方薬です。漢方薬は配合されている生薬が少ないほど、効き目はシャープになりなります。よって、桔梗湯は、喉の腫れや痛みに効き目のシャープな漢方薬です。


