苓桂朮甘湯

苓桂朮甘湯は頭痛に効く?その可能性とあうタイプとは



苓桂朮甘湯が頭痛に効くと聞いたあなた。



苓桂朮甘湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」に記載のある非常に歴史ある漢方薬です。

確かに、頭痛の患者様に処方されることのある漢方薬です。

ただし、 すべての頭痛に効果があるわけではなく、漢方薬の場合、頭痛を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあります。

 

今回、

  1. 苓桂朮甘湯は頭痛に効くのか?その可能性
  2. 苓桂朮甘湯のあうタイプとは

ついて紹介していきます。

 

自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。

ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。

 

自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。 

 

1.苓桂朮甘湯は頭痛に効くのか?その可能性について

苓桂朮甘湯が頭痛に効果があることをお伝えするために、添付文書の内容を紹介します。

コタロー苓桂朮甘湯の添付文書には以下のように記載されています。

 

立ちくらみやめまい、あるいは動悸がひどく、のぼせて頭痛がし、顔面やや紅潮したり、あるいは貧血し、排尿回数多く、尿量減少して口唇部がかわくもの。

神経性心悸亢進、神経症、充血、耳鳴、不眠症、血圧異常、心臓衰弱、腎臓病。 

 

コタロー苓桂朮甘湯の添付文書によると、頭痛の効能効果の記載があります。このことから、苓桂朮甘湯が頭痛に効果があることが分かります。

 

ただし、漢方薬の効能には、特徴があります。症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合に症状が改善していきます。

 

次にどのようなタイプの方に苓桂朮甘湯が合うかについて説明していきます。

 

2.苓桂朮甘湯のあうタイプとは

1)苓桂朮甘湯の条文から考えると

 傷寒論太陽病中編 37条
傷寒で、吐いたり、下したりして、胸部が張っている、気が上って胸を衝き、起き上がろうとするとめまいが起こり、脈は沈緊である。このような状態の時に発汗させると、ふらふらとしてめまいが起こる。このような時は、苓桂朮甘湯の主治である。


金匱要略 痰隠咳嗽病 17

 心窩部に痰飲があり、胸脇部が膨満し、めまいがするのは、苓桂朮甘湯の主治である。

 

2つの条文から、胸が詰まった感じがあり、下から衝き上下られるような症状があり、ふわふわしてめまいがする場合に効果があることが分かります。このような症状がある、頭痛には効果的です。

 

2)苓桂朮甘湯を構成する生薬から考えると

 次に苓桂朮甘湯が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬について配合されている生薬から説明していきます。

苓桂朮甘湯

茯苓 (甘・平)

桂枝 (辛・温)1.8

白朮 (苦・温)3.0

甘草 (甘・平)1.2

 

苓桂朮甘湯は、温める(温)生薬が2つ、温めも冷やしもしない生薬(平)が2つで構成されています。強くはありませんが、温める働きがある漢方薬であることが分かります。

 

甘草は桂枝とともに気のめぐり、偏った血液のめぐりを正常にして、白朮は桂枝とともに表を温め、また、茯苓と協力して小便を通じて体内の過剰な水分を取り除きます。

 

余分な水が邪魔しているために、動悸やめまいや頭痛を起こしている状態を改善してくれることが分かります。

 

3)まとめると

 胸部当たりに詰まり感がある

動悸やめまいを感じることがある

尿の回数は多いが量は少ない

 

このようなタイプの方にあうことが分かります。

 

まとめ

 苓桂朮甘湯は確かに耳鳴りの患者様に処方されることのある漢方薬です。

これは、添付文書に記載されていることから分かります。

ただし、どの人にも効果がでるわけではなく、

 胸部当たりに詰まり感がある
動悸やめまいを感じることがある
尿の回数は多いが量は少ない

これらの症状を持っている方の頭痛に効果的です。

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