
麻黄湯とカロナールの飲み合わせについて知りたいあなた。
麻黄湯とカロナールの飲み合わせにより副作用がでることは考えられません。
ただ、麻黄湯の効果を十分に引き出せなくなる可能性があります。
今回は
・麻黄湯とカロナールの飲み合わせが大丈夫な理由
・麻黄湯の効果を十分に引き出せなくなる可能性がある理由
・麻黄湯とカロナールを併用する時に確認しておきたい2つのポイント
についてまとめました。
1.麻黄湯とカロナールの飲み合わせが大丈夫な理由
麻黄湯とカロナールの飲み合わせについては、カロナールと麻黄湯の添付文書をみると分かります。
添付文書とは、薬を安全かつ適切に使用するために作成されている公的な文書です。
添付文書には、医薬品販売メーカーが、動物実験や治験時のデータや市販後調査の結果等をもとに医薬品の使用上の注意や効能効果や副作用や相互作用などをまとめたものを記載されています。
添付文書には、その薬剤の情報が集約されているので、添付文書の中の薬剤の相互作用を確認すると、薬理学的に考えられる薬剤同士の飲み合わせだけでなく、実際の治験時や市販後調査の結果を踏まえたデータを知ることができます。
麻黄湯とカロナールの両方ともそれぞれのお薬との相互作用の記載はありませんでした。
このことから麻黄湯とカロナールとの併用で副作用が起こることは考えにくいです。
2.麻黄湯の効果を十分に引き出せなくなる可能性がある理由
カロナールの服用により、麻黄湯の効果を十分に引き出せない理由は、麻黄湯が発汗を促す漢方薬だからです。
それは、麻黄湯を構成する4つの生薬から説明できます。
麻黄湯は、麻黄と桂枝と杏仁と甘草という生薬を組み合わせでできています。
麻黄が血を巡らす栄気を補います。
桂枝は体表を巡っている衛気を補います。
杏仁と甘草は、麻黄と桂枝の働きを助け、気血の巡りをよくします。
麻黄湯は、血に寒が入ってしまった時に、麻黄で血を温め、桂枝で体表の気を補い、寒を汗をかかせて追い出す漢方薬であることが分かります。
一方、カロナールは、解熱鎮痛剤です。温めて発汗をさせる麻黄湯の働きを解熱作用のカロナールが邪魔する可能性が理論的には、考えられます。
そのようなことから、我慢できそうなら、麻黄湯の効果を十分に発揮させるためにカロナールの服用をできるだけ控えた方が良いというのが麻黄湯の薬効的な側面から見た考え方です。
3.麻黄湯とカロナールの併用する時に確認しておきたい2つのポイント
1と2から麻黄湯とカロナールの飲み合わせを考えた時に確認しておきたい2つのポイントをまとめました。
- 麻黄湯の効果が出るお体の状態かどうかを確認する。
- 体温計で体温を確認する。
麻黄湯は、頭痛、発熱、身体が痛み、腰痛、関節の痛みがあり、寒気、汗はでなくて、咳の出るような時に用いる漢方薬です。
汗が出ていないのがとても重要なポイントです
漢方薬はおからだの状態によって処方が変わってきます。
特にインフルエンザなどの感染症の場合、おからだの状態は刻々と変化していくので、麻黄湯の合うお体の状態を確認してから、発汗を促すためにお湯に麻黄湯エキス顆粒を溶かして服用してください。
カロナールは、頓服で服用するケースが多いと思います。麻黄湯を服用中は、麻黄湯の効果を十分に引き出すために、カロナールの服用を必要最小限にとどめておかれると良いと思います。ただ、服用してはいけないわけではありませんので、熱や痛みが辛いようでしたら我慢せずに服用してください。


