
苓桂朮甘湯は、即効性のある漢方薬かどうか知りたいあなた。
苓桂朮甘湯は、比較的即効性のある漢方薬です。
その理由は、苓桂朮甘湯は4つの生薬で構成されていて、漢方薬は、構成する生薬の数が少ないほど効き目がシャープで即効性があると言われているからです。
ツムラ39苓桂朮甘湯の添付文書には、めまい、ふらつきがあり、または動悸があり尿量が減少するものの次の諸症:神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛と記載されています。苓桂朮甘湯は、陽気の虚によりこれらの症状が起きた場合に即効的に効果を表す可能性が高いです。
本記事では、苓桂朮甘湯が即効性のある漢方薬かどうか知りたい方に向けて
- 苓桂朮甘湯が比較的即効性のある理由
- 苓桂朮甘湯が即効的に効く可能性のあるケースについて
ついて紹介していきます。
自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。
ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。
自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。
1.苓桂朮甘湯が比較的即効性のある理由
苓桂朮甘湯は、比較的即効性のある漢方薬と記載しました。
その理由は、苓桂朮甘湯は、茯苓と桂枝と白朮と甘草という4つの生薬により構成されている比較的シンプルな漢方薬だからです。
漢方薬は、少ない生薬で構成されているほど即効性があり、働きがピンポイントとなります。
その代表として広く知られている芍薬甘草湯という漢方薬があります。
芍薬甘草湯は、芍薬と甘草で構成され、筋肉の緊張を緩める働きに特化した漢方薬で、よく足のつりなどに使用されます。足がつった時に飲むと多くの方は、数分もすれば楽になると言われます。
苓桂朮甘湯は、4つの生薬で2つの生薬の芍薬甘草湯まではいきませんが、4つなので即効的に効果が現れる可能性は十分にあります。
2.苓桂朮甘湯が即効的に効く可能性のあるケースについて
苓桂朮甘湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」「金匱要略」に記載のある非常に歴史のある漢方薬です。傷寒論や金匱要略は、~の場合に○○湯が合いますと記載されていて、それと同じケースでは、とても良く効くと言われております。今回、傷寒論と金匱要略に苓桂朮甘湯の記載のある2つの条文中の3つのケースを紹介します。
傷寒論 太陽病中編37条
傷寒若しくは吐し若しくは下した後、心下逆満し気上って胸を衝き、起きれば則ち頭眩し脈沈緊、汗を発すれば則ち経を動じ身振振と搖をなる者は苓桂朮甘湯之を主る
【読み】
寒に侵された場合に、吐かせたり、または下したりした後に、みぞおちのあたりが下の方から張り上げて来て、陽気も上がって胸につき上げて、めまいがするようになる、脈は沈んで緊張している者や、寒に侵され発汗させたため、経が動揺して身がフラフラと揺れるようになるものには、苓桂朮甘湯が主治するのである。
【説明】
寒さに当たり風邪をひいて嘔吐したり下痢した時に、みぞおちの下が衝き上がっている感じがありそれが胸にまできて、頭を上げたり上半身を起こしたりすると頭がぐらぐらして目の先が真っ暗になり脈が沈緊のもの。寒さに当たり風邪をひいて汗をかいたら体がふらふらとゆらぐようになった者は、苓桂朮甘湯が効きます。
金匱要略 痰飲咳嗽病編 17条
心下に痰飲あり胸脇支満目眩するは苓桂朮甘湯之を主る
【読み】
心下に痰飲がある為に胸や脇のあたりが支満してめまいする者は苓桂朮甘湯がこれを主る。
【説明】
心下則ち胃に痰飲がある為に胸や脇のあたりがつってめまいする者は苓桂朮甘湯を用います。
このような症状に似たような状態でしたら、即効的に効く可能性が高いです。
まとめ
苓桂朮甘湯は、比較的即効性のある漢方薬です。
その理由は、苓桂朮甘湯は4つの生薬で構成されていて、漢方薬は、構成する生薬の数が少ないほど効き目がシャープで即効性があると言われているからです。
ツムラ39苓桂朮甘湯の添付文書には、めまい、ふらつきがあり、または動悸があり尿量が減少するものの次の諸症:神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛と記載されています。
その中でも、
(1)特に寒さに当たり風邪をひいて嘔吐したり下痢した時に、みぞおちの下が衝き上がっている感じがありそれが胸にまできて、頭を上げたり上半身を起こしたりすると頭がぐらぐらして目の先が真っ暗になり脈が沈緊の者
(2)寒さに当たり風邪をひいて汗をかいたら体がふらふらとゆらぐようになった者
(3)心下則ち胃に痰飲がある為に胸や脇のあたりがつってめまいする者は即効的に効く可能性が高いです。


