
大建中湯の副作用について知りたいあなた。
実は、漢方医学では、副作用という概念がありません。
代わりに「誤治」という概念があります。
漢方医学では、証を見立てて、それに合わせた漢方薬を選択します。
漢方薬を服用して、症状が悪化したり、副作用的な症状が現れたりしたら、証の見立て違いの可能性が高いです。
この証の見立て違いが誤治です。
体に合った漢方薬を選ぶことは、経験や知識がないととても難しく、誤治することはあります。
その場合は、その漢方薬の服用を中止し、漢方薬を選んでもらった医師や薬剤師にそのことを伝えて、別の漢方薬を選んでもらうのが正しい対処法となります。
ただ、漢方薬は長く飲まないと効果がでないと思われ、あまり効果を実感していないにもかかわらず長期間服用していたり、漢方薬が効いて症状が完全にとれたにもかかわらず長期間続けていたり、効果がないからと量をたくさん服用していたりすると、本来の漢方薬の正しい服用方法ではないので、思わぬ症状が現れることがあります。
その思わぬ症状として、ツムラ100大建中湯エキス顆粒の添付文書には、重大な副作用として間質性肺炎と肝機能障害、その他に過敏症として、発疹や蕁麻疹、消化器症状として、悪心、下痢、腹部膨満、胃部不快感、嘔吐があげられています。
今回、添付文書に記載のある副作用を中心に大建中湯を服用した際に起こるかもしれない症状とその時の対処法、そのような症状が出ないための大建中湯の効果的な服用方法についてまとめました。
1.大建中湯の副作用
(1) 間質性肺炎
間質性肺炎とは、酸素を取り込む働きをする肺胞と肺胞の間にある間質に炎症が起こり、酸素が取り込めなくなります。
酸素が取り込めなくなるので、息切れや呼吸が苦しくなったり、咳が長引いたりします。
大建中湯を続けていて、最近息切れするなとか息苦しくなっているなと感じたら、すぐに服用を中止して、受診するようにしてください。
2)肝機能障害
肝臓の機能が低下した状態です。だるくなったり、時には、黄疸がでたりします。その場合は、服用を中止手、受診するようにしてください。血液検査で診断できます。
3)過敏症(発疹や蕁麻疹)
頻度として0.1%未満(1000人に1人未満)で発疹や蕁麻疹が報告されています。
4)消化器症状
頻度不明で腹痛、0.1~5%未満(1000人に1~50人未満)で悪心や下痢、0.1%未満(1000人に1名未満)で腹部膨満、胃部不快感、嘔吐の報告があります。
2.大建中湯が合わないタイプ
大建中湯の場合は、腸の冷えがある人に用います。なので、腸に熱を持っている方は合わないです。
3.大建中湯の効果的な服用方法
~湯は、煎じ薬ですので、エキス顆粒製剤でもお湯に溶かして服用することで、より大建中湯の効果を引き出すことができます。
さらに、大建中湯は、薬を服用してから30分くらいしてから茶碗1杯くらいの温かいお粥を飲むのがより効果的な服用方法です。
これは、大建中湯の記載のある書物「金匱要略」に記載されています。
温かいお粥で胃を温めてお腹の冷えを汗として追い出すためです。
そして、「大建中湯を服用中は、お粥かまたは極めて柔らかいご飯を食して下さい。」と注意書きが記載されています。これを守っていただくことで、より効果的に、そして、服用中のトラブルを減らすことができます。
まとめ
漢方薬は長く飲まないと効果がでないと思われ、あまり効果を実感していないにもかかわらず長期間服用していたり、漢方薬が効いて症状が完全にとれたにもかかわらず長期間続けていたり、効果がないからと量をたくさん服用していたりすると、本来の漢方薬の正しい服用方法ではないので、思わぬ症状が現れることがあります。間質性肺炎、肝機能障害、過敏症や消化器症状などは、その代表的な症状です。また、大建中湯は、腸を温めるお薬ですので、腸に熱を持っている方が服用すると、症状がすることが考えられます。大建中湯は、薬を服用してから30分くらいしてから茶碗1杯くらいの温かいお粥を飲むのがより効果的な服用方法です。


