
補中益気湯の副作用について知りたいあなた。
実は、漢方医学では、副作用という概念がありません。代わりに「誤治」という概念があります。
漢方医学では、証を見立てて、それに合わせた漢方薬を選択します。漢方薬を服用して、症状が悪化したり、副作用的な症状が現れたりしたら、証の見立て違いの可能性が高いです。この証の見立て違いが誤治です。
体に合った漢方薬を選ぶことは、経験や知識がないととても難しく、誤治することはあります。その場合は、その漢方薬の服用を中止し、漢方薬を選んでもらった医師や薬剤師にそのことを伝えて、別の漢方薬を選んでもらうのが正しい対処法となります。
ただ、漢方薬は長く飲まないと効果がでないと思われ、あまり効果を実感していないにもかかわらず長期間服用していたり、漢方薬が効いて症状が完全にとれたにもかかわらず長期間続けていたり、効果がないからと量をたくさん服用していたりすると、本来の漢方薬の正しい服用方法ではないので、思わぬ症状が現れることがあります。
その思わぬ症状として、ツムラ41 補中益気湯エキス顆粒の添付文書には、重大な副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、その他の副作用として過敏症(発疹、蕁麻疹等)消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢)があげられています。
今回、添付文書に記載のある副作用を中心に補中益気湯を服用した際に起こるかもしれない症状とその時の対処法についてまとめました。
目次
補中益気湯の副作用
ツムラ補中益気湯エキス顆粒の添付文書には、重大な副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、その他の副作用として過敏症(発疹、蕁麻疹等)消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢)があげられています。
間質性肺炎
間質性肺炎とは、酸素を取り込む働きをする肺胞と肺胞の間にある間質に炎症が起こり、酸素が取り込めなくなります。酸素が取り込めなくなるので、息切れや呼吸が苦しくなったり、咳が長引いたりします。
芍薬甘草湯を続けていて、最近息切れするなとか息苦しくなっているなと感じたら、すぐに服用を中止して、受診するようにしてください。
偽アルドステロン症
血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず血圧が高くなります。「つっぱり感」「手足のだるさ」、「しびれ」、「こわばり」がみられ、だんだんきつくなります。
このような症状がでたら、服用を中止して、受診するようにしてください。
ミオパチー
筋肉の異常です。脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣、麻痺などの症状が現れたら、服用を中止して、受診するようにしてください。
肝機能障害
肝臓の機能が低下した状態です。だるくなったり、時には、黄疸がでたりします。その場合は、服用を中止手、受診するようにしてください。血液検査で診断できます。肝機能異常は、血液検査をしないとわかりませんが、だるさなどの自覚症状があると肝機能異常を疑います。
黄疸
黄疸は肝臓で作られるビリルビンと言う黄色い色素が血液中に増加して現れる症状で、最初は眼球の白目の部分が黄色くなり、そのうちに皮膚が黄色になります。全身がだるい、痒い、食欲が無い、眠れない等の症状が出るようになります。
過敏症(発疹、蕁麻疹等)
過敏症は、配合されている生薬に対して過敏な方に主に皮膚にブツブツができたり、痒くなったりの症状が出る恐れがあります。
消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢)
もともと補中益気湯は、食欲ない方に用いますが、さらに食欲が落ちたり、気持ち悪くなったり下痢したりした場合は、補中益気湯の合うタイプではないと思いますので、中止した方がよいです。
まとめ
ツムラ補中益気湯エキス顆粒の添付文書には、重大な副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、その他の副作用として過敏症(発疹、蕁麻疹等)消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢)があげられています。
服用しても症状が改善しなかったり、上記の症状が現れたりするようでしたら、補中益気湯の合うタイプでない可能性が高いです。その際は、服用を中止して、重大な副作用のものと過敏症の場合は、すぐに受診をしてください。消化器症状の場合は、中止すると体調が戻ってくると思いますので、そのまま様子をみてください。


