
苓桂朮甘湯の副作用について知りたいあなた。
実は、漢方医学では、副作用という概念がありません。代わりに「誤治」という概念があります。
漢方医学では、証を見立てて、それに合わせた漢方薬を選択します。
漢方薬を服用して、症状が悪化したり、副作用的な症状が現れたりしたら、証の見立て違いの可能性が高いです。
この証の見立て違いが誤治です。
体に合った漢方薬を選ぶことは、経験や知識がないととても難しく、誤治することはあります。
その場合は、その漢方薬の服用を中止し、漢方薬を選んでもらった医師や薬剤師にそのことを伝えて、別の漢方薬を選んでもらうのが正しい対処法となります。
ただ、漢方薬は長く飲まないと効果がでないと思われ、あまり効果を実感していないにもかかわらず長期間服用していたり、漢方薬が効いて症状が完全にとれたにもかかわらず長期間続けていたり、効果がないからと量をたくさん服用していたりすると、本来の漢方薬の正しい服用方法ではないので、思わぬ症状が現れることがあります。
その思わぬ症状として、ツムラ39苓桂朮甘湯エキス顆粒の添付文書には、重大な副作用として偽アルドステロン血症、ミオパチー、その他の副作用として過敏症(発疹、発赤、掻痒等)があげられています。
今回、添付文書に記載のある副作用を中心に芍薬甘草湯を服用した際に起こるかもしれない症状とその時の対処法、そのような症状が出ないための苓桂朮甘湯の効果的な服用方法についてまとめました。
1.苓桂朮甘湯の副作用
(1) 偽アルドステロン症
血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず血圧が高くなります。
「つっぱり感」「手足のだるさ」、「しびれ」、「こわばり」がみられ、だんだんきつくなります。
このような症状がでたら、服用を中止して、受診するようにしてください。
(2)ミオパチー
筋肉の異常です。脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣、麻痺などの症状が現れたら、服用を中止して、受診するようにしてください。
(3)過敏症
発疹や発赤、やかゆみがでたりすることがあります。
すぐに病院を受診しないといけないような症状を引き起こすこともありますので、注意が必要です。過敏症は、長期間の服用というよりは、すぐに起きる事があります。
まとめ
ツムラ39苓桂朮甘湯エキス顆粒の添付文書には、重大な副作用として偽アルドステロン血症、ミオパチー、その他の副作用として過敏症(発疹、発赤、掻痒等)があげられています。過敏症は、すぐに起こる可能性のある副作用です。偽アルドステロン症やミオパチーは、重大な副作用ですので、早めに受診をするようにしてください。


