
「排卵検査薬を使っているのに、なかなか排卵のタイミングが分からない」
「排卵検査薬が何日も陽性になるけれど、本当に排卵しているの?」
「陽性になったのに、生理が来ない」
「PCOSだから、排卵検査薬を使ってもよく分からない」
このようなお悩みを、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方から伺うことがあります。
排卵検査薬は、自宅で排卵のタイミングを予測するために利用できる便利な検査薬です。
しかし、PCOSの方の場合、一般的な月経周期の方と同じように排卵検査薬の結果を判断することが難しい場合があります。
この記事では、PCOSの方が排卵検査薬で失敗しやすい理由を5つに分けて説明します。
また、排卵検査薬だけに頼るのではなく、自分の月経周期や基礎体温、体調などを一緒に見ていくことの大切さについてもお伝えしていきますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
PCOSだから排卵検査薬が「使えない」ということではありません
最初にお伝えしておきたいのは、
PCOSだから排卵検査薬を使ってはいけない、ということではありません。
排卵検査薬は、排卵が近づいている可能性を知るための一つの手がかりになります。
ただ、PCOSの場合には、排卵検査薬の結果だけでは判断しにくいことがあります。
そのため、
「陽性になったから排卵した」
「陰性だから排卵していない」
と単純に判断するのではなく、他の身体の変化も一緒に確認していくことが大切となっていきます。
それでは、PCOSの方が排卵検査薬で失敗しやすい5つの理由を見ていきましょう。
理由1 LH(黄体形成ホルモン)がもともと高いことがある
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は、排卵時期でなくても排卵検査薬で陽性がでることがあります。(偽陽性)
なぜなら、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は、LH(黄体形成ホルモン)がもともと高いことがあるからです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人によっては、基礎値が変動している場合もありますので、偽陽性になったり陰性になったりすることもあります。
排卵検査薬は、尿中のLH(黄体形成ホルモン)が急激に増える「LHサージ」を検出する仕組みですが、LHがもともと高いと、LHサージでなくても検査薬が陽性と判断してしまいます。
そのため、
排卵前ではないのに陽性になる
毎日うっすら陽性が続く
陽性と陰性を繰り返す
ということがあります。
つまり、「陽性=今日排卵する」とは限らなくなってしまうのです。
理由2 排卵しない周期(無排卵周期)がある
PCOSでは卵胞が育っても排卵まで進まない周期があり、その場合、排卵検査薬では、対応できません。
排卵しない周期の場合、
排卵検査薬は陽性
基礎体温は高温期にならない
月経がなかなか来ない
という状態になることがあり、これは、排卵検査薬では判断つきません。
基礎体温表を確認したり、おりものの粘度の変化、時には、時には超音波検査(レディースクリニック受診)で確認しないと、判断が難しい場合もあります。
「排卵検査薬は陽性になるのに生理がなかなか来ない」「周期が長い」という方は、排卵検査薬の使い方だけでなく、PCOSによる月経不順についても確認してみましょう。
■ PCOSで生理が来ない原因や、受診を考える目安についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
理由3 月経周期が長く、検査を始める時期が難しい
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人は、月経周期が長くなる傾向があり、検査薬を使い始める時期が難しいです。
PCOSでは、
35日周期
45日周期
60日以上の周期
になることも珍しくありません。
開始日が早すぎると検査薬を使い切ってしまい、遅すぎると排卵を見逃してしまうことがあります。
よって、基礎体温表を確認したり、おりものの粘度の変化、時には、時には超音波検査(レディースクリニック受診)で確認しないと、判断が難しい場合もあります。
理由4 陽性が何日も続くことがある
通常は陽性が1〜2日程度で終わることが多いですが、PCOSでは
3日以上陽性
1週間近く陽性
濃くなったり薄くなったりを繰り返す
ことがあります。
そのため、「検査薬陽性の色の濃淡の変化」を見極めて、排卵時期を読み取らないといけなくなります。
これは、とても難しいため、基礎体温表を確認したり、おりものの粘度の変化、時には、時には超音波検査(レディースクリニック受診)で確認しないと、判断が難しい場合もあります。
理由5 排卵検査薬だけに頼ってしまう
一般的に排卵検査薬は排卵時期を検査で把握するためのものなので、排卵検査薬さえあれば排卵時期がわけるように考えます。
しかし、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合は、今まで記載してきた理由で、排卵検査薬だけに頼ってしまうのは、失敗してしまう可能性があります。
おすすめなのは、
基礎体温
おりものの変化
超音波検査(婦人科)
月経周期
体調の変化
などをあわせて確認することです。
これらを組み合わせることで、排卵の有無やタイミングをより正確に把握しやすくなります。
排卵検査薬と一緒に、自分の身体も確認していきましょう
ここまで読んで、
「PCOSでは排卵検査薬だけでは分かりにくいことがあるんだ」
と思われた方もいるかもしれません。
では、どうすればよいのでしょうか。
一つの方法は、排卵検査薬の結果だけを見るのではなく、自分の身体に起こっている変化も一緒に確認していくことです。
例えば、
生理が何日周期で来ているか
排卵検査薬がいつ陽性になったか
陽性は何日続いたか
基礎体温はどのように変化したか
おりものはどう変化したか
生理前にどのような体調になるか
睡眠や疲れはどうだったか
食欲や便通に変化はなかったか
ストレスが強い時期ではなかったか
などです。一つ一つは小さな情報かもしれません。しかし、何周期か記録して振り返ることで、「自分の場合は、こういう周期になりやすい」「この時期になると、こういう体調になる」という自分自身の特徴が見えてきます。
まずは月経周期を記録してみましょう
最初からすべてを記録する必要はありません。
まずは、生理が始まった日を記録してみましょう。
例えば、
「今回は38日周期だった」
「次は42日だった」
「その次は35日だった」
というように記録していくと、自分の月経周期の特徴が分かってきます。
PCOSでは月経周期が長くなることがありますので、周期を記録することは、自分の身体を知るための一つの手がかりになります。
排卵検査薬の結果も残しておきましょう
排卵検査薬を使っているのであれば、
「何日目に陽性になったか」
「何日間陽性だったか」
「濃くなったり薄くなったりしたか」
などを記録しておくとよいでしょう。
検査結果を写真に残しておく方法もあります。
後から月経周期や基礎体温と一緒に見返すことで、排卵検査薬だけを見ていたときには気づかなかったことが分かる場合があります。
基礎体温やおりものも一緒に確認してみましょう
基礎体温をつけている方は、排卵検査薬の結果と一緒に確認してみましょう。
また、おりものについても、
量が増えた
透明になった
のびるようになった
水っぽくなった
などの変化を記録しておくと、自分の身体の変化を見る材料になります。
ただし、基礎体温やおりものだけで排卵の有無を確定できるわけではありません。
気になる場合や排卵の有無を確認したい場合には、婦人科で相談することも大切です。
自分の身体を知るために、できることから始めてみる
PCOSと診断されると、「どうすれば排卵するのだろう」「妊娠するために何をしたらいいのだろう」と不安になることがあります。
そんなときに、すぐに答えを出そうとするのではなく、まず自分の身体を知ることから始めてみるという方法があります。
例えば、「生理が来た日を記録する」「排卵検査薬の結果を記録する」「基礎体温をつけてみる」「おりものの変化を観察する」「生理前の体調を記録する」
といったことです。全部を完璧に行う必要はありません。できることから一つずつ始めてみてください。
記録してみると、自分では気づかなかったことが見えてくることがあります
例えば、
「排卵検査薬は何日も陽性になる」
「生理周期が毎回40日前後になる」
「仕事が忙しい時期は体調が違う」
「生理前になると食欲が強くなる」
「便通が悪くなる時期がある」
などです。こうした情報は、すぐに何かを判断するためのものではありません。自分の身体について知るための材料です。
そして、その記録は婦人科を受診するときや、専門家に相談するときにも役立ちます。
自分で取り組んでみても、分からないことがあるときは
自分で記録を始めると、「以前より自分の身体のことが分かってきた」と感じる方もいます。
一方で、「記録してみたけれど、自分ではどう考えたらいいのか分からない」という方もいると思います。
例えば、
「排卵検査薬が毎回陽性になるけれど、排卵しているのか分からない」
「周期が長いけれど、自分ではどう考えればいいの?」
「基礎体温をつけているけれど、見方がよく分からない」
「PCOSについて、自分の身体のことをもっと知りたい」
という場合です。
そのようなときには、一人で答えを出そうとせず、専門家と一緒に整理する方法があります。
婦人科での診察や治療が必要な場合には、まず医療機関で相談することが大切です。
そのうえで、自分の体調や生活について考えたり、漢方という方法を検討したりすることも一つの選択肢となります。
PCOSの漢方相談という選択肢
漢方相談というと、「PCOSを漢方薬で治してもらうところ」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、漢方相談では、排卵検査薬の結果だけを見るのではありません。
例えば、
月経周期
月経の状態
排卵検査薬の結果
基礎体温
おりもの
睡眠
疲れ
食欲
便通
冷え
むくみ
ストレス
日々の生活
などについてお話を伺いながら、現在の状態を整理していきます。
そのため、
「排卵検査薬がうまく判断できない」
というお悩みから相談を始めることもできます。
漢方相談は「自分の身体について考える」ための一つの方法
漢方相談は、婦人科で行う診断や治療の代わりになるものではありません。
また、「漢方薬を飲めば必ず排卵する」というものでもありません。
婦人科で治療を受けている方が、その治療と合わせて漢方相談を利用することもあります。
大切なのは、自分の身体の状態を確認すること。そして、今の自分にできることを考えてみること。
漢方相談は、そのための一つの方法として利用することができます。
「漢方薬を飲むかどうかを決める前に、一度自分の身体について相談してみたい」
という段階でも構いません。
排卵検査薬をきっかけに、自分の身体を見つめてみませんか?
PCOSの方にとって、排卵検査薬は便利な一方で、
「陽性なのに排卵しているか分からない」「何日も陽性が続く」「生理がなかなか来ない」など、かえって不安になってしまうことがあります。
そのようなときは、
「排卵検査薬の結果だけを見る」のではなく、「自分の身体全体を確認する」という視点を持ってみることをおすすめいたします。
まずは、
月経周期を記録する
排卵検査薬の結果を記録する
基礎体温をつける
おりものの変化を観察する
生理前の体調を記録する
睡眠や疲れ、ストレスなどを振り返る
など、できることから始めてみましょう。そして、「自分で記録してみたけれど、よく分からない」「自分の身体について一度整理してみたい」と思ったときには、専門家に相談するという方法があります。その選択肢の一つが、漢方相談です。
PCOSの漢方相談をご希望の方へ
当薬局では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について漢方相談を行っています。
「排卵検査薬が何日も陽性になる」
「排卵しているのか分からない」
「生理周期が長い」
「基礎体温をつけているけれど、どう考えればいいのか分からない」
「PCOSについて、自分の身体のことをもっと知りたい」
という方からもご相談いただいています。
相談では、排卵検査薬の結果だけでなく、月経周期や普段の体調、生活習慣なども伺いながら、現在のお悩みを一緒に整理していきます。
婦人科で治療を受けている方も、その治療内容を踏まえてご相談いただけます。
まずは、自分の身体を知るところから
PCOSだからといって、排卵検査薬の結果だけで一喜一憂する必要はありません。
まずは自分の身体を観察してみる。
自分でできることを一つずつ取り組んでみる。
それでも分からないことがあれば、専門家と一緒に整理してみる。
漢方相談は、そのための一つの選択肢です。
「自分の身体について、もう少し知りたい」
「今の自分にできることを考えてみたい」
そんなところからでも、ご相談いただけます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の悩み一人で抱えず、思い切って、丸の内大島薬局に相談してみませんか。
PCOSと排卵検査薬についてよくある質問
PCOSだと排卵検査薬は使わないほうがいいですか?
いいえ。PCOSだから排卵検査薬が使えないということではありません。
ただし、PCOSではLH(黄体形成ホルモン)が高めであったり、排卵しない周期があったりするため、排卵検査薬の結果だけでは排卵時期を判断しにくいことがあります。
排卵検査薬を使う場合は、基礎体温、月経周期、おりものの変化、体調なども一緒に記録しておくと、自分の身体の変化を振り返りやすくなります。
PCOSで排卵検査薬が陽性なのに、排卵していないことはありますか?
あります。
PCOSでは、排卵検査薬が陽性になっても、実際には排卵まで至っていない場合があります。
そのため、「陽性になったから必ず排卵した」と考えるのではなく、その後の基礎体温の変化や月経周期なども合わせて確認することが大切です。
排卵しているかどうかをより詳しく確認したい場合は、婦人科で超音波検査などを受ける方法もあります。
PCOSで排卵検査薬がずっと陽性になるのはなぜですか?
PCOSでは、LH(黄体形成ホルモン)の状態によって、排卵検査薬が何日も陽性になることがあります。
そのため、「陽性が続いている=ずっと排卵直前」という意味とは限りません。
陽性になった日だけを見るのではなく、月経周期、基礎体温、おりものの変化などを一緒に記録して、自分の場合にどのような変化が起きているのかを見ていくことが大切です。
PCOSで排卵検査薬が陽性なのに生理が来ません。どうすればいいですか?
排卵検査薬が陽性でも、実際には排卵していない場合があります。
また、生理が来ない原因はPCOSだけとは限りません。妊娠、強いストレス、体重の変化、甲状腺やホルモンの異常など、さまざまな原因があります。
「陽性なのに生理が来ない」「周期がかなり長くなっている」という場合は、排卵検査薬だけで判断せず、必要に応じて婦人科で相談してみましょう。
PCOSの場合、排卵検査薬はいつから使えばいいですか?
PCOSでは月経周期が長くなることがあるため、一律に「この日から」と決めるのが難しい場合があります。
35日、45日、60日など周期が毎回異なる場合は、過去の月経周期を記録しておくと、自分の周期の傾向を把握しやすくなります。
排卵検査薬を使う場合も、検査結果だけを見るのではなく、基礎体温やおりもの、体調なども一緒に記録してみましょう。
排卵検査薬が陽性になったら、必ず排卵しているのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。
排卵検査薬は、尿中のLH(黄体形成ホルモン)の変化を確認するものです。そのため、陽性反応が出たことと、実際に排卵が起こったことは同じ意味ではありません。
特にPCOSでは排卵検査薬の結果だけでは判断しにくい場合があるため、必要に応じて婦人科で確認することも大切です。
排卵検査薬以外に、自分で確認できることはありますか?
はい。
例えば、
月経が何日周期で来ているか
基礎体温がどのように変化しているか
おりものにどのような変化があるか
排卵検査薬がいつ陽性になるか
陽性が何日続くか
月経前にどのような体調変化があるか
などを記録してみる方法があります。
一つひとつの情報だけで判断するのではなく、数か月分を振り返ってみることで、「自分の場合はどうなっているのか」を考える材料になります。
PCOSで妊娠を考えています。排卵検査薬だけでタイミングを取っても大丈夫ですか?
PCOSでは排卵検査薬だけでは排卵時期を判断しにくい場合があります。
妊娠を希望している場合は、月経周期や基礎体温などを記録しながら、自分の身体の変化を確認してみましょう。
また、月経不順が強い場合や、なかなか排卵しているか分からない場合には、婦人科で排卵の状態を確認してもらうことも一つの方法です。
排卵検査薬を使っても自分の排卵がよく分かりません。どうしたらいいですか?
まずは、「排卵検査薬がうまく使えていない」と決めつけなくても大丈夫です。
PCOSでは、そもそも排卵検査薬だけでは判断しにくいことがあります。
まずは、
月経周期・排卵検査薬・基礎体温・おりもの・体調
などを記録して、自分の身体の変化を見てみましょう。
それでも「自分では整理できない」「何を見ればよいのか分からない」という場合は、婦人科への相談に加えて、漢方相談で現在の体調や生活習慣などを一緒に整理してみる方法もあります。
PCOSの漢方相談では、排卵検査薬についても相談できますか?
はい。
漢方相談では、排卵検査薬の結果だけを見るのではなく、
月経周期
基礎体温
おりもの
月経前後の体調
冷えやほてり
睡眠
食事
便通
ストレスや生活リズム
など、日頃の身体の変化についてお話を伺いながら、現在の状態を一緒に整理していきます。
「排卵検査薬を使っているけれど、自分の身体のことがよく分からない」という方が、自分自身の身体を見つめ直すきっかけとして漢方相談を利用することもできます。
ただし、漢方相談は婦人科での診察や検査に代わるものではありません。必要な場合には婦人科での検査・治療と合わせて考えていくことが大切です。
PCOSの漢方相談では、どんなことを相談できますか?
「生理周期が長い」「排卵検査薬が何度も陽性になる」「生理がなかなか来ない」「基礎体温が分かりにくい」など、PCOSに伴うさまざまな悩みについてご相談いただけます。
漢方相談では、PCOSという病名だけで一律に考えるのではなく、現在の身体の状態や生活習慣、体調の変化などをお聞きしながら、その方に合った取り組み方を一緒に考えていきます。
「何をしたらよいのか分からない」という状態から、自分の身体を知ることから始めたい方にも、漢方相談という方法があります。
まず自分でできることをやってから漢方相談を考えてもいいですか?
もちろんです。
月経周期を記録したり、基礎体温をつけたり、排卵検査薬の結果を記録したりすることは、自分の身体を知るための大切な一歩です。
まずはできることから始めてみてください。
そのうえで、
「記録してみたけれど、どう見ればいいのか分からない」
「自分なりに取り組んでいるけれど、なかなか整理できない」
「生活習慣も含めて一度相談してみたい」
という場合には、漢方相談を一つの選択肢として考えてみてもよいでしょう。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の悩み一人で抱えず、思い切って、丸の内大島薬局に相談してみませんか。

