
自分の体に合う漢方薬をお探しのあなた。小建中湯について詳しく知りたいあなた。
小建中湯は、「虚労」をとる代表漢方処方です。
「虚労」とは、簡単に言えば「寝ても疲れが取れない状態」です。
小建中湯は、脾胃(西洋医学的には、胃や膵臓)の弱りを補います。
胃が弱って血流が悪くなると、体を動かす筋肉に酸素と栄養が届きにくくなり、疲れやすくなります。
また、筋肉の血流が悪くなると筋肉が硬くなり、そこに熱がこもり、痛みがでます。
小建中湯は、特に疲れてくるとお腹が痛くなりやすい方に効果的です。
漢方薬には証と言って合うタイプ合わないタイプがあります。
合わないタイプの方が服用するとその効果を実感できなかったり、思わぬ副作用がでたりすることもあります。
小建中湯について詳しく解説しますので、自分のお体に合うかどうか考えながら、読み進めて下さい。
目次
1.小建中湯の合うタイプと症状(説明書より)
小建中湯の説明書きには、体力虚弱で、疲労しやすく腹痛があり、血色がすぐれず、ときに動悸、手足のほてり、冷え、ねあせ、鼻血、頻尿および多尿などを伴うものの次の諸症:小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜泣きとなっております。
2.小建中湯の合うタイプと症状(配合生薬より)
小建中湯は、6つの生薬から構成されています。この生薬の働きをひとつひとつみていくことで、小建中湯のあうタイプが分かってきます。
2-1 桂枝(けいし)
桂枝(けいし)は、辛く温める生薬で、陽気を補い、発汗を促します。
2-2 芍薬(しゃくやく)
芍薬(しゃくやく)は苦くて温めも冷やしもしない生薬で、筋肉のたるみをひきしめて痛みや凝りをとります。
2-3 生姜(しょうきょう)
生姜(しょうきょう)は、ショウガのことで、辛く温める生薬で、胃を温めて発汗させる働きがあります。
2-4 甘草(かんぞう)
甘草(かんぞう)は、甘くて温めも冷やしもしない生薬で、気力を増やす働きがあります。
2-5 大棗(たいそう)
大棗(たいそう)は、なつめの実で、甘くて温めも冷やしもしない生薬で、胃を元気にして血のめぐりをよくする働きがります。
2-6 膠飴(こうい)
膠飴(こうい)は、水飴で、甘くて温める生薬で、特に脾胃(胃や膵臓)に元気をつけて、体を元気にします。また。お腹の痛いのを治します。甘味は、心を助けますので、心臓のポンプの働きを助けて血行をよくします。
2-7 すべての生薬を合わせて考えてみると
以上配合されている生薬から考えると、甘草と生姜と大棗と膠飴で脾胃(胃や膵臓)を元気にして血流を良くして、全身に酸素と栄養を届けられるようになり、疲労が取れます。
生姜と桂皮の働きで、陽気を発散させて体中を元気にします。また、お腹の痛みも取ってくれます。
3.小建中湯の合うタイプと症状(漢方の古典より)
お腹がつっぱり、動悸がして鼻血を出し、腹中が痛んで夢精をしてしまい、手足がしびれるように痛み、手足の裏がほてって苦しく、のどが乾いて口の中に水気がなくなってパサパサして熱を持っているものは、小建中湯が主治しますと記載されています。
4.小建中湯を飲むときに気を付けておきたいタイプ(副作用への注意)
本来、漢方薬には、副作用はありません。
ただ、タイプの合わない漢方薬を飲むと思わぬ体の変化がでてしまうことがあります。
これは、本当は、漢方薬の副作用ではなく、体に合わない漢方処方を飲んだからです。
ただ、普通のお薬の感覚からすると、どうしても副作用と考えてしまいます。
小建中湯が合わないタイプの方について紹介します。
4-1 嘔きぐせのある人
嘔きぐせのある人は、どんなタイプの人かというかというと、まず、水分が胃に停滞しやすい人です。
次に、胃が極端に冷えている人も吐きやすいです。そのような方には、小建中湯はあいません。
5.まとめとして
小建中湯は、精神的な要因にて胃が弱ってしまうタイプの方に合うことが多いようです。
漢方の世界では、脾胃は、手足を主ると考えます。
手足の細い方は、脾胃が虚していると考えることができ、小建中湯のあう方が多いです。
小建中湯は、お腹が痛くなりやすく、寝ても取れない疲れをお持ちの方にピッタリです。
小建中湯は、~湯なので、煎じ薬です。
エキス顆粒もお湯に溶かして服用してみて下さい。
効果を早く実感するためにも、出来ましたら煎じ薬を飲まれることをおすすめします。


