
小建中湯について詳しく知りたいあなた。小建中湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」「金匱要略」に記載のある非常に歴史のある漢方薬です。ツムラ小建中湯の添付文書には、6つもの効能効果が記載されています。6つもと驚かれたかもしれません。ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。 それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
本記事では、桂枝茯苓丸がどのような漢方薬か知りたい方に向けて
小建中湯の効能効果
小建中湯で改善できる東洋医学的な病態とは?
ついて紹介していきます。自分に合った漢方薬を選ぶことは、とても難しいことです。ただ、自分に合った漢方薬と出会った場合、中々治らなかった辛い症状が、嘘みたいに治ることがあります。自分に合う漢方薬に出会い、辛い症状を改善されることを心から願っております。
1.小建中湯の6つの効能効果
ツムラ99小建中湯(医療用)の添付文書には
体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なき
となっております。
本当に幅広い症状に効果があることが分かります。ただ、漢方薬の効能効果には、ある特徴があります。 それは、症状を引き起こしている東洋医学的な病態と病態を改善する漢方薬が一致した場合には、いくつもの症状が改善していきますが、病態と漢方薬が一致しない場合は、一つも症状が改善しないばかりか、副作用が出てしまうこともあることです。
続いてどのようなタイプの人にこのような効果が現れるかをお伝えするため小建中湯で改善できる東洋医学的な病態について説明します。
2.小建中湯は東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのか
小建中湯が東洋医学的にどのような病態を改善する漢方薬なのかを知るために、「金匱要略」に記載のある小建中湯の条文をご紹介させていただきます。なぜ漢方の古典をご紹介するかというと、漢方の古典には、「~のような時には、この漢方薬が効きます。」と記載されているからです。
1)金匱要略にある記載にある小建中湯の条文
血痺虚労編13条
虚労裏急、悸、じく、腹中痛、夢失精、四肢酸疼、手足煩熱、咽乾口乾するは、小建中湯之を主る
虚労病で、腹直筋が突っ張っていて、動悸、鼻血、腹痛、夢で失精し、四肢が痛み、手足がほてり、口や咽が乾燥する時は小建中湯の主治である。
体力のないものが無理をしたために疲れて腹痛、動悸、鼻血、腹痛、遺精、四肢の倦怠感や痛み、手足の煩熱、口渇などが起こったときは小建中湯が主治します。
2)小建中湯を構成する生薬
次に小建中湯を構成する生薬から考えていきます。
小建中湯
桂枝 (辛・温) 3.0
芍薬 (苦・平) 6.0
生姜 (辛・温) 3.0
甘草 (甘・平) 3.0
大棗 (甘・平) 4.0
膠飴 (甘・平) 26.0
2-1 桂枝(けいし)
桂枝(けいし)は、辛く温める生薬で、陽気を補い、発汗を促します。
2-2 芍薬(しゃくやく)
芍薬(しゃくやく)は苦くて温めも冷やしもしない生薬で、筋肉のたるみをひきしめて痛みや凝りをとります。
2-3 生姜(しょうきょう)
生姜(しょうきょう)は、ショウガのことで、辛く温める生薬で、胃を温めて発汗させる働きがあります。
2-4 甘草(かんぞう)
甘草(かんぞう)は、甘くて温めも冷やしもしない生薬で、気力を増やす働きがあります。
2-5 大棗(たいそう)
大棗(たいそう)は、なつめの実で、甘くて温めも冷やしもしない生薬で、胃を元気にして血のめぐりをよくする働きがります。
2-6 膠飴(こうい)
膠飴(こうい)は、水飴で、甘くて温める生薬で、特に脾胃(胃や膵臓)に元気をつけて、体を元気にします。また。お腹の痛いのを治します。甘味は、心を助けますので、心臓のポンプの働きを助けて血行をよくします。
すべての生薬を合わせて考えてみると
甘草と生姜と大棗と膠飴で脾胃(胃や膵臓)を元気にして血流を良くして、全身に酸素と栄養を届けられるようになり、疲労が取れます。生姜と桂皮の働きで、陽気を発散させて体中を元気にします。また、お腹の痛みも取ってくれます。
まとめ
小建中湯は、三世紀ごろ中国でまとめらえた医学書「傷寒論」「金匱要略」に記載のある非常に歴史のある漢方薬です。
ツムラ小建中湯の添付文書には、体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なきとなっております。
体力のないものが無理をしたために疲れて腹痛、動悸、鼻血、腹痛、遺精、四肢の倦怠感や痛み、手足の煩熱、口渇などが起こったときに用います。
小建中湯に配合されている甘草と生姜と大棗と膠飴で脾胃(胃や膵臓)を元気にして血流を良くして、全身に酸素と栄養を届けられるようになり、疲労が取れます。生姜と桂皮の働きで、陽気を発散させて体中を元気にします。また、お腹の痛みも取ってくれます。


