
防己黄耆湯の副作用について知りたいあなた。
実は、漢方医学では、副作用という概念がありません。代わりに「誤治」という概念があります。
漢方医学では、証を見立てて、それに合わせた漢方薬を選択します。
漢方薬を服用して、症状が悪化したり、副作用的な症状が現れたりしたら、証の見立て違いの可能性が高いです。
この証の見立て違いが誤治です。
体に合った漢方薬を選ぶことは、経験や知識がないととても難しく、誤治することはあります。
その場合は、その漢方薬の服用を中止し、漢方薬を選んでもらった医師や薬剤師にそのことを伝えて、別の漢方薬を選んでもらうのが正しい対処法となります。
ただ、漢方薬は長く飲まないと効果がでないと思われ、あまり効果を実感していないにもかかわらず長期間服用していたり、漢方薬が効いて症状が完全にとれたにもかかわらず長期間続けていたり、効果がないからと量をたくさん服用していたりすると、本来の漢方薬の正しい服用方法ではないので、思わぬ症状が現れることがあります。
その思わぬ症状として、ツムラ20防己黄耆湯エキス顆粒の添付文書には、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、過敏症があげられています。
今回、添付文書に記載のある副作用を中心に防已黄耆湯を服用した際に起こるかもしれない症状とその時の対処法についてまとめました。
1.防己黄耆湯の副作用
(1) 間質性肺炎
間質性肺炎とは、酸素を取り込む働きをする肺胞と肺胞の間にある間質に炎症が起こり、酸素が取り込めなくなります。
酸素が取り込めなくなるので、息切れや呼吸が苦しくなったり、咳が長引いたりします。
防己黄耆湯を続けていて、最近息切れするなとか息苦しくなっているなと感じたら、すぐに服用を中止して、受診するようにしてください。
(2) 偽アルドステロン症
血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず血圧が高くなります。
「つっぱり感」「手足のだるさ」、「しびれ」、「こわばり」がみられ、だんだんきつくなります。
このような症状がでたら、服用を中止して、受診するようにしてください。
(3)ミオパチー
筋肉の異常です。脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣、麻痺などの症状が現れたら、服用を中止して、受診するようにしてください。
(4)肝機能障害
肝臓の機能が低下した状態です。だるくなったり、時には、黄疸がでたりします。その場合は、服用を中止手、受診するようにしてください。血液検査で診断できます。
(5)過敏症
発赤やかゆみがでたり、気持ち悪くなったり、下痢したりすることがあります。
すぐに病院を受診しないといけないような症状を引き起こすこともありますので、注意が必要です。過敏症は、長期間の服用というよりは、すぐに起きる事があります。
まとめ
ツムラ20防己黄耆湯エキス顆粒の添付文書には、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、過敏症があげられています。過敏症は、長期間の服用というよりは、すぐに起きる事があります。


