
クリニックなどで処方されることの多い漢方薬が当帰芍薬散(ツムラ23番)です。
なぜ、当帰芍薬散が処方されることが多いのでしょうか。それは、大昔から日本でとても使用されてきた漢方薬であること、女性は、特に東洋医学でいう血の働きが欠かせなく、当帰芍薬散には、血を補う作用があるからなどが考えられます。
今回は、当帰芍薬散の処方が多い理由と当帰芍薬散の作用、実際、当帰芍薬散を服用して妊娠した方の情報を交えてまとめてみました。この記事が少しでもお役立ていただければ幸いです。
日本人の典型的な美人を当芍美人と呼んでいた
美人画にでてくるような、面長でほっそりして弱々しく、柳腰で立ち姿はすっきり、おっとりしたしぐさで、ちょっと手を差し伸べてあげたくなるようなイメージの女性。このような女性を当芍美人(当帰芍薬散があうようなタイプ)と呼んでいました。
このような言葉があるくらい、当帰芍薬散は、日本人の女性に合うタイプの多い処方として広く知られており、日本で処方される頻度の多い処方となっております。
当帰芍薬散の作用
当帰芍薬散は、当帰、芍薬、茯苓、白朮、沢瀉、川芎の6つの生薬を組み合わせてできています。
当帰は、血を温め、川芎で気を補い、芍薬は筋肉をひきしめて気血を補い、めぐりをよくし、茯苓、沢瀉、白朮で水の停滞を除き、つかえを取り除き血流を良くしてくれます。
当帰芍薬散を服用して妊娠された人
38歳やせ形の女性。2人目不妊。生理は30日と遅れ気味、経血量が少なく、塊が出ることもあり、生理前になると胸が張ったり、頭痛がしたりすることもある。冷え性で、めまいがあり、常に足がむくんでいる。病院では、タイミングを取ってもらっている。
当帰芍薬散を服用開始。1ヶ月で、むくみはあまり取れなかったが、めまいはとれて、妊娠。
この方は、1ヶ月で妊娠することができました。経血量が少なく、冷え性があり、めまいがあり、足のむくみをありました。当帰芍薬散で、身体に溜まって邪魔していた過剰な水が取れて、血を作る働きがアップしたため妊娠できたのだと思います。
この方は、妊娠後も当帰芍薬散を続けて服用していただき、無事に出産されました。
当帰芍薬散は、妊娠中の体調管理にも大変役立つ漢方薬で流産の予防にもなります。
まとめ
当帰芍薬散は、もともと日本人にあう方の多い漢方薬です。そして、血を増やし、余分な水を排出してくれます。当帰芍薬散を服用すると、冷え性がとれたり、血の不足によりおきる生理の量の減少やめまいや生理痛なども取れてきます。妊娠中の体調管理にも服用できる漢方薬です。


