
「PCOSと診断され、クロミッドを処方されたけれど排卵しなかった。」
「薬を増量しても反応がない。」
「このまま妊娠できないのではないかと不安…。」
そのような不安や疑問を感じている方はあなただけではありません。
まずお伝えしたいのは、クロミッドが効かなかったからといって、妊娠の可能性がなくなるわけでは決してありません。
PCOSでは、クロミッドに反応しにくい「クロミッド抵抗性」と呼ばれる状態がみられることがありますが、その場合でも排卵させる方法はクロミッド一つではないので、大丈夫です。
この記事では、
- PCOSでクロミッドが効かない理由
- 次に検討される治療法
- 漢方による体質改善という考え方
について詳しく解説します。
読み終えていただければ、クロミッドが効かない不安から解消され、新たな選択肢がみつかりますので最後までお読みください。
クロミッドが効かない理由
クロミッドが効かない状態にも色々あります。例えば、以下のような状態があります。
- 排卵が起こらない
- 卵胞が十分に育たない
- 排卵はしたが妊娠に至らない
- クロミッドを増量しても反応しない
今回は、これらの理由を中心にまとめました。
クロミッド抵抗性の影響
PCOSの方の中には、クロミッドを服用しても十分な排卵が起こらない「クロミッド抵抗性」がみられることがあります。
このクロミッド抵抗性とは、クロミフェン最大用量(150mg/日×5日間)を3周期投与しても排卵が確認されない状態を指し、PCOS患者の約20〜25%で認められると言われています。この場合は、別の排卵誘発法に変更していきます。
実際、私の運営する漢方薬局に来局された多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方にも一定数クロミッド排卵が起こらなくて相談に来られるケースがあります。
自分だけではないですので、クロミッドを服用して排卵できなくても不安にならず、自分に合わないと気持ちを切り替えて別の方法を探していけば良いと思います。
インスリン抵抗性の影響
PCOSでは、インスリン抵抗性を伴う方が少なくありません。インスリン抵抗性は、排卵と卵胞の発育に影響を与えることがあり、それが、クロミッドの働きに影響を与える場合があります。
なぜなら、インスリン抵抗性により引き起こされる高インスリン血症は、LH(黄体形成ホルモン)の過剰分泌と卵巣のアンドロゲン産生を促進します。
LH(黄体形成ホルモン)とアンドロゲンの血中濃度の高い条件下では、卵胞は育ちにくくなってしまうので、排卵と卵胞の発育に影響がでてしまいます。
なお、インスリン抵抗性は、遺伝的素因や生活習慣や精神的ストレスが関連していると言われております。
肥満の影響
脂肪組織ではエストロゲンが産生されます。肥満ではエストロゲンの影響が強くなり、ホルモンバランスが乱れて排卵障害に影響することがあります。
また、肥満はインスリン抵抗性を悪化させる要因にもなるため、PCOSでは体重管理が治療の一つとして勧められることがあります。
他の要因が隠れていることも
排卵障害の原因はPCOSだけとは限りません。
甲状腺機能や高プロラクチン血症など、別の病気が関係していることもあります。
参考 クロミッドの副作用について詳しく知りたい方はこちら
クロミッドが効かない人の特徴
クロミッドが効かない人の特徴についてまとめました。
- BMIが高い
- インスリン抵抗性がある
- 男性ホルモン値が高い
- LHが高い
- AMHが高い
これは、クロミッドが効かない理由を参考にしております。
クロミッドが効かない場合、次はどんな治療がある?
クロミッドが効かない場合、どんな治療法があるかについてまとめました。
レトロゾール
レトロゾールはクロミフェンとは異なるメカニズムで排卵を誘発します。
クロミフェン抵抗性PCOS患者の約60〜80%で排卵が得られるとの報告があり、近年はPCOSの第一選択薬としても推奨されています。
メトホルミン併用
PCOSの方でインスリン抵抗性がある場合には、糖尿病治療薬であるメトホルミンが使用されることがあります。
メトホルミンはインスリンの働きを改善することで排卵しやすい状態を目指す薬で、クロミッドやレトロゾールと併用されることもあります。
ゴナドトロピン療法
FSH製剤(ゴナールエフ等)による排卵誘発は高い排卵率を持ちますが、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)と多胎妊娠のリスクがあるため、慎重なモニタリングが必要です。
外科的療法(卵巣焼灼術)卵巣ドリリング
腹腔鏡にて卵巣に穴をあける手術があります。
この手術を行うと薬に対する反応性がよくなったり、自然に排卵できるようになったりします。
しかし、1年ぐらいすると元の状態に戻ってしまうことが多いです。
漢方薬
多嚢胞卵巣症候群で排卵が上手く行かないケースに、漢方薬は有用な解決手段となります。
なぜなら、東洋医学的にPCOSの症状を引き起こす原因がいくつかり、それを改善する漢方薬もあるかれです。
私の運営する漢方薬局では、
- クロミッドを飲んでも排卵しなかった
- 副作用がつらく継続が難しかった
- PCOSを改善したい
といったご相談を多く受けており、非常に多くの方が改善されています。
東洋医学では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の背景には、「瘀血(おけつ)」「痰湿(たんしつ)」「腎虚(じんきょ)」など、いくつかの原因が複雑にからんでいると考えます。そのため、同じPCOSでも人によって原因は人それぞれ異なり、それに合わせて漢方薬を選ぶことでPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は改善していきます。。
私の運営する漢方薬局では、現在受けられている治療内容を伺いながら、一人一人違う原因に合わせて生活習慣も含めて漢方相談を行っています。
クロミッドの服用を副作用で断念したが、漢方薬で定期的排卵できるようになった実例
実例の概要
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断され、排卵誘発剤(クロミッド)を服用したが、副作用で2周期目に断念。
漢方薬で生理周期を整えるために相談に。5ケ月で32~34日の生理周期に安定。
- 利用したサービス 漢方相談
- 年齢 33歳 女性
- お住まい 関東地方
- 主なお悩み 多嚢胞性卵巣症候群
- 相談開始時の生理周期 38~42日(最長60日)
- 症状の期間 以前より
- 相談期間 5ヶ月
- ご希望 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を改善したい
- 病院治療との併用状況 あり
ご相談まで経過
低用量ピルを中止して妊活を開始しました。
婦人科でPCOSと診断され、クロミッドによる排卵誘発を開始しましたが、
- 吐き気
- 卵巣痛
- イライラ
などの副作用が強く、2周期で服用を中止しました。
その後も生理周期は38~42日、長い時には60日となり、
「自然に排卵できる体になりたい」
との思いで当薬局へご相談いただきました。
まとめ
PCOSでクロミッドが効かないと言われると、不安になる方も多いと思います。
しかし、クロミッドが効かなかったからといって、妊娠の可能性がなくなるわけではありません。
治療法にはレトロゾールやゴナドトロピン療法などの選択肢があり、体質や状況に応じて治療方針を見直していくことができます。
また、漢方では月経周期や冷え、血流、ストレスなどを含めて体質改善を目指す考え方があります。
当薬局では、PCOSで妊活中の方や、排卵誘発剤についてお悩みの方の漢方相談を行っています。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. クロミッドが効かない人は多いですか?
PCOSの方では、クロミッドに反応しにくい「クロミッド抵抗性」がみられることがあります。効かなかった場合でも、他の治療法が検討されます。
Q. 漢方だけでPCOSは改善しますか?
PCOSの原因や症状は人によって異なります。漢方は体質改善を目的として用いられることがありますが、必要に応じて医療機関での治療と併用することが大切です。
Q. PCOSでクロミッドは何周期まで使えますか?
A. 治療期間は年齢や排卵の有無、不妊期間などによって異なりますが、一般的には漫然と長期間使用することは推奨されていません。
一定期間服用しても排卵や妊娠に至らない場合は、レトロゾールやゴナドトロピン療法など、別の治療法への変更が検討されます。
治療期間については、ご自身の状況に合わせて主治医と相談しながら決めることが大切です。
Q. クロミッドが効かないと自然妊娠は難しいですか?
A. クロミッドが効かなかったからといって、自然妊娠ができないというわけではありません。
PCOSでは生活習慣の改善によって自然排卵がみられる方もいます。また、レトロゾールやゴナドトロピン療法など他の排卵誘発法に変更することで妊娠につながるケースもあります。
焦らず、ご自身に合った治療法を見つけることが大切です。
Q. レトロゾールでも排卵しない場合はどうなりますか?
A. レトロゾールでも十分な排卵が得られない場合には、ゴナドトロピン療法や卵巣ドリリングなど、次の治療法が検討されることがあります。
また、体重管理や生活習慣の改善、インスリン抵抗性への対応などを組み合わせることで、排卵しやすくなる場合もあります。
年齢や妊娠希望期間なども考慮しながら、主治医と治療方針を相談することが重要です。
Q. PCOSの人は生活習慣を改善すると排卵しやすくなりますか?
A. はい。特に肥満やインスリン抵抗性を伴うPCOSでは、生活習慣の改善が排卵機能の改善につながることがあります。
適度な運動や栄養バランスの良い食事、十分な睡眠などを継続することで、ホルモンバランスが整いやすくなる場合があります。
生活習慣の改善だけで十分な効果が得られない場合でも、薬物療法や漢方と組み合わせることで治療効果が期待できることがあります。
Q. 漢方相談はどのような人に向いていますか?
A. 漢方相談は、次のような方におすすめです。
- クロミッドやレトロゾールだけでは十分な効果が得られなかった方
- 生理周期を整えたい方
- 冷えやむくみ、疲れやすさなど体質も改善したい方
- 排卵誘発剤の副作用が気になる方
- 医療機関での治療と並行して体調も整えたい方
漢方では「PCOS」という病名だけでなく、月経周期や冷え、胃腸の状態、睡眠、ストレスなども考慮し、一人ひとりの体質に合わせた処方を検討します。
Q. PCOSで排卵しているかはどうすれば分かりますか?
A. 排卵の有無は、基礎体温だけで正確に判断することは難しい場合があります。
病院では超音波検査やホルモン検査、必要に応じて黄体期の血液検査などを組み合わせて排卵の有無を確認します。
市販の排卵検査薬も参考になりますが、PCOSではLH(黄体形成ホルモン)が高めの方も多く、正確に判定できないことがあります。
Q. PCOSでも自然排卵することはありますか?
A. はい、PCOSでも自然排卵する方はいます。
ただし、排卵する周期としない周期が混在することも多く、生理周期が不規則になる原因となります。
妊娠を希望している場合は、排卵の有無を確認しながら適切な治療を受けることが大切です。
Q. クロミッドと漢方はどちらを優先すべきですか?
A. どちらか一方を選ぶのではなく、目的や体質によって併用が検討されることもあります。
クロミッドは排卵を促すことを目的とした薬であり、漢方は体質改善を目的として用いられます。
治療方針は年齢や妊娠希望時期、症状によって異なるため、主治医や漢方に詳しい薬剤師と相談しながら進めることをおすすめします。
Q. クロミッドが効かない原因はストレスと関係がありますか?
A. ストレスだけが原因とは言えませんが、強いストレスはホルモンバランスに影響し、排卵に影響を与える可能性があります。
PCOSでは、生活習慣や睡眠、精神的な負担などが複数重なって症状に影響することもあります。
十分な休養やストレス対策も、治療を支える大切な要素の一つです。
Q. クロミッドが効かなくても妊娠した人はいますか?
A. はい、います。
クロミッドで排卵しなかった方でも、レトロゾールへの変更やゴナドトロピン療法、生活習慣の改善などにより妊娠につながるケースがあります。
大切なのは、「クロミッドが効かなかった」という結果だけで悲観せず、ご自身に合った治療法を見つけることです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)完全ガイド|原因・症状・診断・治療・漢方まで薬剤師が詳しく解説


