
「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されたけれど、妊娠できるのでしょうか?」
「生理周期が長く、排卵しているのか分からない……」
「妊活を始めたけれど、なかなか妊娠できない」
PCOSと診断されると、このような不安を感じる方は少なくありません。
結論からいうと、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だから妊娠できない、ということではありません。
PCOSでは排卵が起こりにくくなることがあるため、妊娠までに時間がかかる場合があります。しかし、自然に妊娠する方もいますし、必要に応じて排卵誘発などの治療を行いながら妊娠を目指すこともできます。
実際に当薬局にも、PCOSを指摘され、妊活を続けていた37歳の女性がご相談に来られました。
この方は、妊活を始めて半年ほど経過しても妊娠に至らず、婦人科でPCOSを指摘されました。
その後、婦人科での治療と並行しながら漢方相談を続け、相談開始から8か月後に妊娠された事例があります。
この症例については、実際の相談経過を詳しく紹介しています。
もちろん、一つの事例であり、漢方薬による妊娠を保証するものではありません。
ただ、この事例からは、PCOSの妊活では「病名だけを見る」のではなく、生理周期、排卵の状態、体調、生活習慣、ストレスなどを含めて自分の状態を見ていくことの大切さが分かります。
当薬局のPCOS漢方相談では、月経周期だけでなく、冷え・疲れ・胃腸の状態・睡眠・ストレスなども含めてお話を伺っています。
この記事では、PCOSと妊娠の関係と、この37歳女性の漢方相談事例をご紹介します。
PCOSでも妊娠を目指すことはできます
まず知っておいていただきたいのは、PCOS=妊娠できないではないということです。
2023年の国際的なPCOSガイドラインでも、PCOSの方には、自然妊娠または必要な治療によって妊娠を達成できることが多いと説明されています。
PCOSで妊娠しにくくなる大きな理由の一つが、排卵が起こりにくいことです。
卵胞が発育しても排卵まで進まなかったり、排卵する周期が少なかったりすると、妊娠を目指す機会そのものが少なくなります。
そのためPCOSで妊娠を希望する場合は、「生理が来ているか」だけではなく、「排卵が起こっているか」を確認することが大切です。
「生理が来ている=毎回排卵している」とは限りません
PCOSの方から、
「生理は来ているので排卵していると思っていました」
というお話を伺うことがあります。
しかし、月経があることと、毎回排卵していることは同じではありません。
特に、
35~40日以上の周期になる
月によって周期が大きく違う
2~3か月生理が来ない
排卵検査薬を使ってもタイミングが分からない
排卵検査薬を使っているのにタイミングが分からない方は、PCOSと排卵検査薬の関係について詳しく解説した記事もご覧ください。
という場合には、排卵の状態を確認することが重要です。
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、月経周期異常の診療では妊娠の有無を確認したうえで、月経状態や生活変化を詳しく確認し、必要に応じて超音波検査やホルモン検査などを行うことが示されています。
【実例】37歳・PCOSと診断され、妊活を続けていた女性
ここからは、実際に当薬局へご相談いただいた事例をご紹介します。
ご相談者
37歳・女性
愛知県名古屋市在住。
ご相談内容
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による妊娠の悩み
妊娠したい
生理周期が安定しない
排卵のタイミングが分かりにくい
相談開始時の生理周期は39日でした。
タイミングをとっていましたが、半年ほど妊娠には至りませんでした。そこでクリニックを受診したところ多嚢胞性卵巣症候群を指摘されました。
そして、「妊娠しやすい体づくりをしたい」という思いから、漢方相談に来られました
この方は、単純に「生理周期が長い」だけではありませんでした
漢方相談では、PCOSという病名だけを見るのではなく、普段の体調や生活について詳しくお話を伺いました。
すると、
生理周期は31~39日とばらつきがある
経血にかたまりがある
排卵のタイミングが分かりにくい
下痢をしやすい
むくみがある
職場の人間関係によるストレスが強い
飲酒の機会が多い
といった特徴がありました。
ここが、漢方相談で大切にしているところです。
同じ「PCOS」という診断を受けていても、実際の体調や生活は一人ひとり違います。
そのため、「PCOSだから、この漢方薬」という考え方ではなく、その時点のお身体の状態を確認していきました。
当薬局のPCOS漢方相談では、月経周期だけでなく、冷え・疲れ・胃腸の状態・睡眠・ストレスなども含めてお話を伺っています。
この方の漢方相談で大切にしたこと
最初から「妊娠のための漢方薬」を一つ決めて、それをずっと飲んでいただいたわけではありません。
この方の場合は、下痢をしやすいことなども考慮し、まず胃腸の働きを整えることを目的とした漢方などから始めました。
その後は、2週間に1回程度のペースで体調を確認。
生理周期だけではなく、
生理の状態
排卵の状態
胸の張り
生理痛
寝汗
口の渇き
下痢
むくみ
など、その時々の変化を確認しながら漢方薬を調整していきました。
つまり、この事例で行ったことは、「PCOSだから同じ漢方薬を飲み続ける」という方法ではありません。
その時々の体調を確認しながら、生活面も含めて一緒に考えていく相談でした。
3か月頃から生理周期と基礎体温に変化
相談を開始して1か月後には生理が来ました。
2か月後には、それまでより排卵がスムーズになったと感じられるようになりました。
そして3か月頃には、
生理周期が安定してきた
基礎体温のリズムが整ってきた
という変化がみられました。
ただし、その後も一度整ったら終わりというわけではありません。
下痢やむくみなど、その時々の体調を確認しながら相談を継続しました。
そして相談開始から8か月後、妊娠
相談を続ける中で、排卵周期が安定した状態が続き、
相談開始から8か月後に妊娠されました。
ご本人からは、
「2週間ごとに細かくお体の状態を確認してもらい、その都度漢方薬を選んでもらえるので良かった」
「色々なお話を聞いてもらえて、心も軽くなりました」という感想をいただきました。
もちろん、この事例だけから「漢方薬によって妊娠した」と判断することはできません。
婦人科での治療やタイミング法、年齢、自然な経過など、妊娠にはさまざまな要因が関係します。
この事例は、あくまでPCOSで妊娠を希望する方の一つの相談例としてご紹介しています。
この事例から考える「PCOSの妊活で大切なこと」
この37歳の方の事例から、私が大切だと感じたことがあります。
それは、「PCOS」という病名だけを見て妊活を考えないことです。
PCOSと診断されても、実際のお身体の状態は一人ひとり違います。
例えば、「生理周期が長い」という共通点があっても、
胃腸の調子が悪い
下痢をしやすい
むくみやすい
冷えがある
睡眠が十分に取れていない
仕事のストレスが強い
疲れがたまっている
など、抱えている問題は人によって異なります。
だからこそ、妊活では自分自身の状態を知ることが大切です。
PCOSの妊活では「排卵」だけを見ないことも大切
妊娠を希望すると、どうしても、
「排卵しているか」
「卵胞は大きくなったか」
「排卵検査薬は陽性になったか」
ということに意識が向きます。
もちろん、排卵は妊娠するために重要です。
しかし、毎日の生活を振り返ってみることも大切です。
例えば、
「最近、仕事が忙しくて睡眠時間が短い」
「ストレスを飲酒で紛らわせている」
「胃腸の調子が悪い」
「疲れているのに休めていない」
ということはないでしょうか。
今回の37歳女性も、職場の人間関係によるストレスや飲酒の機会が多いこと、下痢をしやすいことなどがありました。
そこで、漢方薬だけではなく、
朝食をしっかり摂る
睡眠時間を確保する
休息時間を作る
湯船につかる
飲酒量を減らす
など、無理なく実践できる生活面についても一緒に考えました。
「PCOSだから妊娠できない」と決めつけないでください
PCOSと診断されると、「私は妊娠できないのではないか」と不安になるかもしれません。
でも、PCOSだから妊娠できないということではありません。
PCOSでは排卵障害が妊娠しにくさにつながることがありますが、自然妊娠を目指せる方もいますし、必要に応じて排卵誘発などの治療を受けながら妊娠を目指すこともできます。国際ガイドラインでも、PCOSの方には自然妊娠または治療によって妊娠を達成できることが多いとされています。
大切なのは、
「PCOSだから無理」と考えることではなく、自分の状態を確認して、必要なサポートを受けながら妊娠を目指していくことです。
病院の治療を受けながら漢方相談をすることもできます
「すでに婦人科に通っていますが、漢方相談をしてもいいのでしょうか?」
このような質問もよくいただきます。
今回ご紹介した37歳の方も、病院での治療と漢方相談を併用されていました。
漢方相談は、婦人科の治療の代わりになるものではありません。
PCOSで妊娠を希望する場合には、婦人科で排卵や卵胞の状態を確認し、必要な治療を受けることが大切です。
そのうえで、
「自分の体調についても細かく相談したい」
「生活習慣も含めて見直したい」
「生理周期だけでなく、胃腸や睡眠、ストレスなども相談したい」
という方が、漢方相談を利用されています。
PCOSの妊活で、こんなお悩みはありませんか?
もし現在、
PCOSと診断された
生理周期が長い
生理がなかなか来ない → PCOSで生理が来ない記事はこちら
排卵しているか分からない
排卵検査薬を使っているがタイミングが難しい
妊活を始めたけれどなかなか妊娠しない
ピルをやめてから生理周期が乱れている → ピルやめた生理こない
婦人科で排卵誘発剤を使用している
病院の治療と並行して体調を整えたい → PCOSで妊活中の体調を漢方相談したい
妊活中のストレスや疲れが気になる
という場合は、一人で悩み続ける必要はありません。
PCOSの妊娠について、漢方相談で一緒に考えてみませんか?
PCOSの妊活では、単純に「妊娠に良い漢方薬」を探すだけではなく、
「今、自分の身体にどのような負担がかかっているのか」
を考えることが大切だと私は考えています。
生理周期が長い。
排卵が分かりにくい。
仕事のストレスが強い。
胃腸の調子が悪い。
睡眠が足りない。
疲れが取れない。
こうした一つひとつの状態を丁寧に確認していくことで、今の自分に必要なことが見えてくる場合があります。
今回ご紹介した37歳の女性も、最初から「妊娠」という結果だけを追いかけたのではありません。
その時々の体調を確認しながら、漢方薬と生活習慣を見直し、婦人科での治療と並行して妊活を続けていきました。
そして、相談開始から8か月後に妊娠されました。
これは一人の方の事例であり、同じ結果を保証するものではありません。
それでも、PCOSと診断されて「妊娠できるのだろうか」と不安になっている方にとって、妊娠を目指す方法は一つではないということを知っていただければと思います。
PCOSの妊活・漢方相談をご希望の方へ
当薬局では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について、妊娠を希望される方からの漢方相談をお受けしています。
「PCOSと診断されたけれど、妊娠できるか不安」
「生理周期が長く、排卵しているのか分からない」
「婦人科の治療を受けながら、体調についても相談したい」
「自分の体質や生活習慣について、一度じっくり相談してみたい」
という方は、一度ご相談ください。
PCOSという診断名だけで判断するのではなく、現在の生理周期や体調、生活習慣などを丁寧にお伺いし、その方の状態に合わせてご相談を進めています。
PCOSの妊活について、一人で悩み続けずにご相談ください。
よくある質問
Q. PCOSでも自然妊娠できますか?
はい、PCOSでも自然妊娠する方はいます。
ただし、PCOSでは排卵が起こりにくいことがあるため、妊娠までに時間がかかる場合があります。
Q. PCOSは不妊症なのでしょうか?
PCOS=妊娠できない、という意味ではありません。
排卵障害によって妊娠しにくくなる場合がありますが、自然妊娠を目指せる方もいれば、排卵誘発などの治療によって妊娠を目指す方もいます。
Q. PCOSで生理周期が長いのですが妊娠できますか?
妊娠を目指すことはできます。
ただし、生理周期が長い場合は排卵の回数が少なくなっている可能性があります。
まずは婦人科で排卵の状態を確認してもらうとよいでしょう。
Q. PCOSで排卵誘発剤を使っています。漢方相談できますか?
はい。病院で治療を受けながら漢方相談をされる方もいます。
ただし、現在服用している薬や治療内容については、相談時に必ずお知らせください。
Q. 漢方薬を飲めばPCOSでも妊娠できますか?
漢方薬によって妊娠を保証することはできません。
漢方相談では、その方の体調や生活習慣などを確認しながら、日々の体調を整えることを目的として相談を行います。
妊娠を希望される場合は、婦人科で必要な検査や治療を受けることも大切です。
Q. 37歳でもPCOSで妊娠できますか?
年齢だけで妊娠の可能性を判断することはできません。
今回ご紹介した事例では、37歳でPCOSを指摘されていた女性が、婦人科での治療と漢方相談を併用し、相談開始から8か月後に妊娠されました。
ただし、これは一人の方の事例であり、同じ経過や結果を保証するものではありません。
妊娠を希望されている場合は、年齢も含めて早めに婦人科へ相談することが大切です。
まとめ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されても、妊娠できないということではありません。
PCOSでは排卵が起こりにくいことが妊娠しにくさにつながる場合がありますが、自然妊娠を目指すこともできますし、必要に応じて医療機関で排卵誘発などの治療を受けることもできます。
今回ご紹介した37歳女性も、タイミングをとっていましたが、なかなか妊娠に至りませんでした。
その後、婦人科での治療と並行して漢方相談を開始。
生理周期だけを見るのではなく、胃腸の状態、むくみ、ストレス、飲酒、睡眠や休息なども含めて体調を確認しながら相談を続けました。
その結果、3か月頃には生理周期や基礎体温が安定し、その後も状態に合わせて相談を続け、8か月後に妊娠されました。
これはあくまで一つの事例です。
しかし、「PCOSだから妊娠できない」と決めつける必要はありません。
まずは自分の排卵や生理周期の状態を知り、必要な医療を受けながら、自分の体調や生活習慣についても見直していくことが大切です。
PCOSの妊活について不安を感じている方は、一人で抱え込まず、婦人科や専門家に相談してみてください。
PCOSの妊活について、一人で悩み続けずにご相談ください。
遠方でご来店が難しい場合はLINEでもご相談できます。(お友達登録後、チャット画面から漢方相談希望と入力してください。)

