
「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だけど、今月は生理が来るのかな?」
「前回の生理からかなり期間が空いているけれど、このままで大丈夫?」
「生理が来ないということは、将来妊娠しにくいのでは?」
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されている方の中には、このような不安を抱えている方が少なくありません。
特に、生理周期が不規則だと、「いつ生理が来るのか」が分からず、仕事や旅行などの予定も立てにくくなります。
さらに、「何か月も生理が来ないけれど、病院に行ったほうがいいの?」「自然に生理が来るようになる方法はないの?」と、一人で悩んでしまうこともあります。
実は、PCOSで生理が来ないと不安な時に大切な事は、PCOS以外の原因で生理がきていないかを確認し、必要に応じて婦人科で適切な対応を受けながら、睡眠・食事・体重・ストレス・運動など、自分の生活や体調についても見直していくことです。そして、体調の見直しには、それを手助けする漢方相談を利用する方法もあります。
なぜなら、実際にPCOSによる生理不順について、婦人科での治療と漢方相談を併用しながら体調や生理周期の変化を確認し、その後妊娠・出産に至った方もいるからです。
この記事では、まず役立つ事例として、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で40日~50日の生理不順と不妊に悩んでいた28歳女性の漢方相談事例をご紹介いたします。
その後に、
・PCOSではなぜ生理が来にくくなるのか
・どのくらい生理が来なければ受診したほうがよいのか
・生理が来ないときに婦人科ではどのような対応が行われるのか
・生活習慣を見直すときに考えたいポイント
・漢方相談では何を確認するのか
・将来の妊娠を考えている場合に知っておきたいこと
について、順番に解説します。
この記事を読み終えるころには、「生理が来ないけれど、どうしたらいいのか分からない」という状態から、
「今の自分はまず何を確認すればいいのか」
「婦人科に相談したほうがいいのか」
「生活面で見直せることは何か」
「漢方相談ではどんなことを相談できるのか」
が整理できるようになるでしょう。
一人で「いつ生理が来るのだろう」と悩み続けるのではなく、本記事を参考に一歩前にすすめてみてください。
【実例】28歳女性多嚢胞性卵巣症候群で40日~50日の生理不順と不妊に悩んでいたの漢方相談事例
クリニックの受診と漢方相談で、40日から~50日の生理不順が最短27日までに改善し、漢方相談半年後には、妊娠し、その後無事に出産した事例をご紹介いたします。
高校生の時から生理不順でした。排卵が不安定でピルを5年間服用していましたが、ご結婚を機にピルを中止して、妊活を開始されました。
なかなか排卵しないので、クリニックを受診したら多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断を受け、カベルゴリンを処方され服用されていました。
クリニックを受診していても妊娠しなくて、漢方薬で改善できればと当店にご相談されました。
当薬局では、お話をじっくり伺い、お仕事がかなり負担がかかっていることが分かりました。
でも、仕事に責任感とやりがいを感じて頑張っておられました。
便秘だったので腸内環境を整えること、体の負担を改善することと生理周期を整えることのできる漢方薬を服用していただきました。
すると、40日~50日の生理周期が、34日、27日で来るようになりました。
その後も28日~32日ぐらいで定期的に生理が来るようになり、体も元気になり、半年後には、妊娠し、その後無事にご出産されました。
■この症例の相談内容や、その後の生理周期・妊娠までの経過はこちらで詳しくご紹介しています。
PCOSではなぜ生理が来にくくなるの?
PCOSでは排卵が規則的に起こりにくくなるため、生理の間隔が長くなったり、生理がなかなか来なくなったりすることがあります。
PCOSでは、卵巣の中で卵胞が育っていても排卵まで進みにくいことがあります。
排卵が起こらない、または排卵までの期間が長くなると、それに伴って月経周期も長くなります。
ただし、生理が来ない原因はPCOSだけとは限りません。
妊娠、急激な体重変化、強いストレス、過度な運動、甲状腺などの病気など、別の原因が関係している場合もあります。
例えば、上記のようなPCOS以外の原因でも
- 30~40日以上生理が来ない
- 2か月に1回程度しか生理が来ない
- 数か月生理が来ない
- 生理が来る月と来ない月がある
ということが起きる場合があります。
だからこそ「PCOSだから生理が来ない」と決めつけるのではなく、なぜ生理が来ていないのかを確認することが大切です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について詳しく知りたい方はこちら
多嚢胞性卵巣症候群の人が生理が来ないことに不安を感じたらまず確認したい事
まず確認したいのは、「最後に生理が来たのはいつか」と「妊娠の可能性があるか」です。
なぜなら、この2つは、今のお身体の状態を確認する第1歩となるからです。
例えば、
「前回の生理から45日」
「60日」
「90日以上」
など、最後の月経からどれくらい経っているのかを確認します。
また、妊娠を希望している・していないにかかわらず、妊娠の可能性がある場合には、その確認も必須となります。
まずは、「最後の生理から何日経っているか」と妊娠の有無を把握することが、生理が来ない不安を整理する第一歩となります。
PCOSで生理が何か月も来ないときは、放っておかないで
何か月も生理が来ない場合は、「そのうち来るだろう」と長期間放置せず、婦人科に相談することをおすすめします。
なぜなら、排卵がない状態が長く続くと、子宮内膜に関する問題が生じることがあるからます。
また、生理が来ない原因が本当にPCOSによるものなのか、ほかの原因が隠れていないかを確認する必要があるからです。
特に、
- 3か月以上生理が来ない
PCOSで生理が来ないときの受診目安や、放置した場合に考えられることについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
- 以前より明らかに周期が長くなった
- 強い腹痛や異常な出血がある
- 妊娠の可能性がある
- 妊娠を希望している
といった場合は、他の原因が隠れている可能性があります。
だからこそ、3か月以上生理が来ていない場合はもちろん、2か月程度でも普段より明らかに周期が長くなっている場合や、妊娠の可能性がある場合は、婦人科に相談しましょう。
PCOSで生理が来ないとき、婦人科では何をする?
婦人科では、生理が来ない原因を確認したうえで、妊娠希望の有無や現在の状態に応じた治療が検討されます。
PCOSの治療は、「生理を来させる」ことだけが目的ではありません。
妊娠を希望しているかどうかによっても、治療の考え方が変わります。
例えば、
妊娠を今は希望していない場合
→ 月経を起こす治療やホルモン療法などが検討されることがあります。
妊娠を希望している場合
→ 排卵の有無を確認し、妊娠に向けた治療が検討されます。
PCOSでは「生理を来させたい」のか、「妊娠に向けて排卵を整えたい」のかによって、考えることが変わりますので、将来に向けてどうしていきたいのかという自分の考えを整理しておくことが大切す。
PCOSで「自然に生理が来るようになりたい」ときに考えたいこと
自然な生理周期を目指したい場合は、婦人科での治療に加えて、自分の生活や体調を見直すことも一つの方法です。
なぜなら、PCOSはホルモンだけの問題として捉えるのではなく、体重、食事、運動、睡眠、ストレスなど、さまざまな要素が関係する複雑な状態です。
例えば、
- 睡眠時間が短い
- 仕事のストレスが強い
- 運動不足になっている
- 食事時間が不規則
- 体重が増えてきた
- 疲れやすい
- 冷えを感じる
- 便通が不安定
など、自分では「生理とは関係ない」と思っていることも、相談時には重要な情報になります。
だからこそ、生理だけを見るのではなく、「自分の体全体の状態」を見直していくことが、自然な周期を目指すうえでの一つの大切な視点になります。
PCOSの生理不順と生活習慣|食事・運動・睡眠で見直したいこと
食事・運動・睡眠を無理なく整えることは、PCOSの体調管理を考えるうえで大切です。
なぜなら、PCOSでは体重や代謝との関連も指摘されており、生活習慣を整えることが治療の一部として考えられる場合があります。
例えば、
- 食事を極端に制限しない
- 野菜・たんぱく質・主食をバランスよく摂る
- 無理のない範囲で運動する
- 睡眠時間を確保する
- 仕事のストレスを溜め込まない
などです。
「PCOSだから糖質を完全に抜く」というような極端な方法ではなく、続けられる方法を選ぶことが重要です。
大切なのは、一気に生活を変えることではなく、自分が続けられる範囲で生活を整えていくことです。
「生理が来るか分からない」という不安を減らすためにできること
生理が来る日を無理に予測するより、「生理が来た日」「体調」「出血」「服薬」などを記録して、自分の周期を把握することが役立ちます。
PCOSでは周期が不規則なため、一般的な生理予測アプリだけでは予測が難しい場合があります。
例えば、アプリなどに、
- 生理開始日
- 生理終了日
- 出血量
- おりもの
- 体調
- 睡眠
- 体重
- 服薬
などを記録しておくと、婦人科や漢方相談で相談するときにも役立ちます。
「いつ来るか」だけを見るのではなく、「自分の体にどんな変化が起きているのか」を記録することが、不安を整理する助けになります。
PCOSで将来妊娠できる?生理が来ないことと妊娠の関係
PCOSで生理不順があるからといって、「妊娠できない」という意味ではありません。
PCOSと妊娠について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
PCOSでは排卵が不規則になるため、妊娠までに時間がかかることがあります。
しかし、PCOSの方でも妊娠を目指すことはできます。
例えば、
「今は妊娠を希望していないけれど、数年後には妊娠したい」
という方もいるでしょう。
その場合でも、現在の生理周期や排卵の状態について知っておくことは、将来を考えるうえで役立ちます。
「生理が不規則=妊娠できない」と考える必要はありません。ただし、妊娠を希望したときには早めに婦人科へ相談することが大切です。
PCOSで「漢方で生理が来るようになりたい」と考えている方へ
PCOSの治療そのものを漢方だけで行うという考え方ではなく、婦人科での治療と並行して、自分の体調や生活背景を含めて相談する方法として漢方相談を考えることができます。
漢方相談では、生理周期だけを見るのではなく、
- 睡眠
- 疲れ
- 食欲
- 便通
- 冷え
- むくみ
- ストレス
- 月経の状態
- 仕事や生活環境
などを含めて、その人全体の状態を確認します。
例えば、
「PCOSと診断されている」
「生理が2~3か月に一度しか来ない」
「仕事が忙しく睡眠時間が短い」
「冷えや便通の悩みもある」
「将来は妊娠したい」
という方であれば、生理だけを見て漢方薬を選ぶのではなく、現在の生活や体調を含めて相談していくことになります。
「生理を来させる漢方」を探すのではなく、「自分の体調を全体的に相談したい」という視点で漢方相談を利用することが大切です。
PCOSの漢方相談では、どんなことを相談できる?
漢方相談では、生理だけではなく、生活背景や体調を含めて「なぜ今困っているのか」を一緒に整理できます。
PCOSの症状や悩みは、人によってかなり異なるからです。
例えば、
「生理が来ない」
だけでなく、
「仕事が忙しくて疲れている」
「夜更かしが多い」
「体重が増えた」
「便秘や下痢を繰り返す」
「冷えが気になる」
「将来の妊娠が心配」
などをまとめて相談できます。
生理だけを何とかしようとするのではなく、自分の生活や体調を一度整理してみたい方には、漢方相談という選択肢があります。
■ 実際のPCOS漢方相談では、どのような体調を確認するのか、症例からもご覧いただけます。
PCOSで生理が来ない方へ|婦人科と漢方相談は役割が違います
婦人科と漢方相談は対立するものではなく、それぞれ役割が異なります。
婦人科では、診断や検査、ホルモン治療、排卵誘発など、医学的な治療を行います。
一方、漢方相談では、生活背景や体調を細かく聞きながら、その人の状態に合わせた漢方や生活面について相談します。
例えば、
「何か月も生理が来ないので婦人科へ行く」
↓
「婦人科で必要な治療を受ける」
↓
「同時に、自分の生活や体調についても相談したい」
↓
「漢方相談を利用する」
という流れも考えられます。
婦人科の治療をやめて漢方に切り替えるという考え方ではなく、必要な医療を受けながら、漢方相談を利用する方法もあります。
最後に
「いつ生理が来るんだろう」
「このまま何か月も来なかったらどうしよう」
「将来、妊娠できるのかな」
PCOSと診断されていると、生理が来ないたびに、このような不安を感じてしまうかもしれません。
でも、生理が来ないことだけを見て、一人で悩み続ける必要はありません。
まずは最後に生理が来た日を確認し、どれくらい期間が空いているのかを把握してみてください。
そして、生理が長期間来ていない場合や、妊娠を希望している場合などは、婦人科に相談しましょう。
そのうえで、
「自分の生活や体調についても相談したい」
「食事や睡眠、ストレスなども含めて見直したい」
「PCOSについて漢方という選択肢も知りたい」
という方は、漢方相談を利用する方法もあります。
当薬局では、PCOSという病名だけで判断するのではなく、生理周期だけでなく、睡眠、疲れ、食欲、便通、冷え、ストレスなど、日々の生活や体調について詳しくお話を伺いながら漢方相談を行っています。
婦人科での治療を受けながら相談することもできます。
「生理が来るのをただ待つのではなく、今の自分の体について一度相談してみたい」
そのように感じている方は、一人で抱え込まずにご相談ください。

